英訳され、三方よしなど近江商人の経営理念などを伝える本(左)を手にする末永さん=大津市・県庁

英訳され、三方よしなど近江商人の経営理念などを伝える本(左)を手にする末永さん=大津市・県庁

 「三方よし」に代表される近江商人の精神や経営手法などを解説する本「近江商人学入門」(サンライズ出版)が英訳され、世界中の図書館や大学など約千カ所に配られた。著者の末永國紀同志社大名誉教授(76)=日本経済史=は「永続を重視する近江商人の考え方は、利益第一で考える世界経済へのアンチテーゼとなる」と意義を語った。

 近江商人学入門は2017年に出版された。西川甚五郎家や伊藤忠兵衛家ら代表的な近江商人の行商や、人材育成の考え方を紹介し、「現代にも通じる普遍性のある考え方」などと経営理念を解説する。英訳本化は内閣府の事業で、日本独自の芸術や思想の本などを翻訳し、各国の図書館などに配っている出版文化産業振興財団(東京都)が担った。

 タイトルは「THE STORY OF JAPAN’S OHMI MERCHANTS」。末永さんは、日本や滋賀の歴史や風土などを加筆し、訳者とともに英訳を検討した。

 末永さんによると、「売り手よし、買い手よし、世間よし」と、商いの心得を表した三方よしはこれまで、定まった英語表記がなかったという。今回、「Three―Way―Satisfaction」と訳した末永さんは「働く者が成長できて初めて会社が成長するという解釈を込めた。外国人には違和感がある考え方かもしれないが、ビジネスマンや学生など、多くの人に近江商人の経営理念を知ってもらいたい」と話した。

 本の問い合わせはサンライズ出版0749(22)0627。