知足院が揮毫した石碑に見入る参拝者(京都府綾部市上延町・東光院)

知足院が揮毫した石碑に見入る参拝者(京都府綾部市上延町・東光院)

 幕末の志士・坂本龍馬と妻・お龍の仲人とされる京の僧、知足院夢覚(ちそくいんむかく)(1796~1871年)が揮毫(きごう)した石碑が京都府綾部市上延町の寺、東光院にある。半世紀目立たなかったが、7月初旬に本堂近くに移転すると、恋愛成就を願ってスマートフォンで自撮りする女性や中高年の歴史ファンなど参拝者が増えている。

 知足院は現・京都市東山区にあった青蓮院金蔵寺の住職で何鹿(いかるが)郡岡村(現・綾部市岡町)出身。お龍の父で医師だった楢崎将作と懇意だった。龍馬とお龍の仲人が誰だったかは諸説あるが、お龍は晩年、龍馬との内祝言は知足院が仲人だったと回想している。

 石碑は高さ約70センチ、幅約60センチ。晩年の知足院が、兄が檀家だった東光院に建立した。「ほほえむことができるのは幸せである」という意味の「楽知(らくち)」と揮毫した字が彫られ、左側に「梦(夢)覚大和尚」と名が添えられている。院の門前に長年あったが、約50年前に車道を設けた際、高台の斜面に移転したため、目立たなくなっていた。

 専門家の調査で知足院の揮毫碑と昨夏確認されたのを機に、東光院が今年7月初旬、より多くの参拝者の目に触れる本堂近くに移した。「龍馬ゆかりの石碑がある」と話題になり、東光院によると、移転後1カ月でカップルや女性を中心に訪れる人が目に見えて増えたという。松井真海住職(60)は「若者が寺に気軽に訪れるきっかけになれば」と話している。

 午前9時~午後4時半。風鈴祭り開催中の9月4日までは拝観料300円。東光院0773(42)2432。