過熱する米中貿易摩擦、見通しの立たない北朝鮮の核廃棄、緊迫するイラン周辺、出口の見えない日韓関係の悪化…。

 混迷が深まるばかりの国際情勢である。一方で世界は広く、目を配るべきところは、ほかにも多く存在する。

 「最後のフロンティア」とされるアフリカは、その最たる地域といえそうだ。

 28日から、日本とアフリカ諸国の協力について話し合う「アフリカ開発会議」(TICAD)が、横浜市で開かれる。

 遠く離れてはいるが、今後の国際情勢において存在感を増すアフリカについて、認識を深める機会としたい。

 TICADは、日本が主導して国連やアフリカ連合(AU)とともに主催する首脳クラスの国際会議である。

 1993年から、当初は5年ごとに日本で開かれていた。それが、2013年以降は3年ごとに間隔が縮まる。

 前回16年は、ケニアでアフリカ初開催を実現した。域外からも、50を超える国が代表団を派遣。国際機関や民間企業なども参加した。

 政治的にも、経済的にも理由がある。

 200近くの国連加盟国のうち、アフリカは54カ国あって、地域別では最大のグループを形成する。

 日本は、ドイツなどとともにAUと連携して国連憲章を改正し、安全保障理事会の常任理事国入りを果たそうとしたことがあった。

 この際は失敗に終わったが、アフリカ諸国が国際政治の舞台で重視すべき勢力となっているのは、間違いない。

 国連の報告書によると、現在13億人近いアフリカの人口は約30年後に、ほぼ倍の25億人を突破すると見込まれている。

 天然資源に恵まれ、多くの国が高い成長率を維持しているうえ、働き手となる年齢層が増え続けるという。

 巨大な経済圏となる可能性を持っている、ということだ。

 前回のTICADで、安倍晋三首相は総額約3兆円の投資をすると表明した。

 これに対し、巨大経済圏構想「一帯一路」を進める中国は昨年、6兆円を超える資金の拠出を打ち出した。近年、米欧や日本に対抗するため、対アフリカ投資を急増させている。

 日本は今後、単独で投資の多寡を中国と張り合うことが、難しくなるだろう。

 今回の会合では、アフリカの一部の国が債務超過に陥っている問題への懸念を、首脳宣言に明記する方向で、調整を続けている。

 過剰融資を受け、整備した施設の権限を手放すような事態を念頭に、返済能力に応じた「質の高いインフラ整備」の必要性を理解してもらう狙いだ。

 投資だけではなく、貧困や紛争、感染症などの問題の解決に向けた対策も欠かせない。技術移転、人材育成、医療サービスの向上といった分野で細やかな支援をすることが、日本には求められている。

 アフリカが将来、持続可能な発展をするために、知恵を出し合ってもらいたい。