勢いよく炎を上げる「牧山の松明」。訪れた人たちが火に思いを込め祈った(南丹市日吉町中世木・普門院)

勢いよく炎を上げる「牧山の松明」。訪れた人たちが火に思いを込め祈った(南丹市日吉町中世木・普門院)

 京都府登録無形民俗文化財の「牧山の松明(たいまつ)」が24日夜、南丹市日吉町中世木牧山地区の普門院で営まれた。燃え盛る3本の大松明に、訪れた人たちが無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。

 午後7時過ぎ、高さ4メートルを超す大松明に火がともされると、山奥の静かな集落の夜が明るく彩られた。途中、雨脚が強くなった時も夜空を焦がし続けた。

 松明行事は、愛宕信仰と盂蘭盆会(うらぼんえ)の送り火を兼ねているという。松明がよく燃えた年は豊作になるという言い伝えがある。今は同地区は3世帯6人となったが、住民や地区出身者らで行事を守り続けている。

 火をともす松は、1カ月前に地元の共有林から刈り出して乾燥させた。種火の「じん」は松ヤニを多く含んだ部分を活用し、観音堂に1年間供えた。

 牧山大松明保存会の中川輝男会長(82)は「近年はほどよい大きさの松を探すのが難しくなっているが、絶やさず続けたい」と話していた。