町内でも七色の木がお気に入りという岩井さん(京丹波町仏主)

町内でも七色の木がお気に入りという岩井さん(京丹波町仏主)

 「京丹波は日本海と太平洋の分水嶺(れい)があり、それぞれの特徴を持った草や木が入り交じっていて面白い」。京都府京丹波町の地域おこし協力隊員、岩井悠人さん(25)=京丹波町本庄=は休日、長老ケ岳や美女山に登る。見かけた花や木のほか、頂上からの風景などを事細かにつづったブログは、町内でひそかに人気が高まっている。
 京都市北区出身。実家が材木店で、小さい時から自然と触れ合っていた。京都市内の大学に進学し、植物の生態系について学び、ボランティアで木の枝打ちや木育にも携わった。
 卒業後、実家の材木店で働くものの、木や植物に直接関わりたいとの思いから、2018年2月から京丹波町の地域おこし協力隊員になった。「野草が豊かな山に囲まれ、田畑もあることから四季のうつろいを楽しむことができる」と、今ではこの町での暮らしを気に入っている。
 同隊の活動では主に、わち山野草の森(同町坂原)の「はるいろさくらまつり」や須知高(同町豊田)の学校林「ウィードの森」で子どもたちと自然の中を歩き回ったり、木を使ってお守りを作ったりして、木育のイベントに関わっている。「京丹波の自然を案内するツアー役の人が少なく、自分が担っていると思うとやりがいがある」と語る。
 また、山の至る所に生えているクスノキ科の落葉低木「クロモジ」に着目。クロモジはリラックス効果や抗ウイルス作用があるとされ、枝から本格的に作るクロモジ茶の商品化を目指す。「ハーブティーのようにすっきりとしている。町内の自然を生かして、地域経済を潤わせられたら」と意気込む。
 地域おこし協力隊の任期はあと1年で、今年で大詰めを迎える。今後は地域の自然をまとめたガイドブックの発行や、ツアーを企画するなど夢は膨らむ。「まずは目の前のことに焦らずじっくり取り組みたい」と思いを新たにした。