滋賀県彦根市が民間委託の方針を発表した彦根城。入城者の増加を目指す(彦根市金亀町)

滋賀県彦根市が民間委託の方針を発表した彦根城。入城者の増加を目指す(彦根市金亀町)

 滋賀県彦根市は26日、市が直轄している国宝彦根城の運営を、来年度から外部に委託する方針を明らかにした。文化財の維持管理や城内の観光案内にかかる人件費を圧縮するとともに、民間のノウハウを導入して効果的なイベントなどを開催することで入城客の増加につなげたいとしている。

 市は3年分の委託費として8億6千万円の債務負担行為の設定を、9月2日開会の定例市議会に提案する。既に民間委託している市の人気キャラクター「ひこにゃん」の運営についても委託を続ける。

 彦根城は1944(昭和19)年に井伊家から寄付されて以来、市が管理運営してきた。しかし近年は入城客数が年70~80万人で伸び悩んでいることや、彦根城管理事務所に配置している臨時職員の人件費が来年度の法改正に伴い増加する見込みであることから、運営の効率化を図るため外部委託を決めた。

 委託するのは天守や櫓(やぐら)、玄宮園の維持管理、観光客の誘導案内、入城券の販売など、同管理事務所が担っている業務。大規模な修繕については市が引き続き担当する。市によると、直轄を続けた場合と比べ、3年間で約2500万円の経費削減が見込めるという。

 国宝の城の運営を民間に委託している例は、近畿では姫路城(兵庫県姫路市)がある。

 彦根市は年内に公募型プロポーザルを実施し、業者を選定する。実際に入城客が増えた場合は、委託業者に奨励金を別途支払うという。市の計画では来年度の入城客の目標を90万人としており、「民間のアイデアを生かした取り組みを通じ、観覧料収入の増加を目指したい」(文化財課)としている。