ノックする部員にボールを手渡す山本マネジャー(左、伊香高)

ノックする部員にボールを手渡す山本マネジャー(左、伊香高)

 第92回選抜高校野球大会の出場校は、24日に大阪市で開かれる選考委員会で決まる。滋賀からは秋季大会4強の伊香が、21世紀枠の近畿地区候補校となった。選手18人、マネジャーを含めても23人の少人数で努力を重ねてきた部員たちは、33年ぶりの出場へ吉報を心待ちにしている。

 秋季大会準決勝は昨夏王者の近江を相手に延長十一回の熱戦の末、0―1で惜敗した。3位決定戦で綾羽に敗れ近畿大会出場は逃したが、140キロの速球が持ち味の右腕隼瀬一樹(2年)を軸とした堅守が光った。隼瀬は「僕が甲子園に連れて行かなあかん、という気持ちがある。もし春に行けなくても、夏に行く」と力強く話す。
 1896年創立で、1948年創部の野球部は甲子園に5回出場した。地元住民とのつながりが深く、有志による「体育後援会」への寄付金が、備品購入などに充てられている。部員も学校周辺のごみ拾いや早朝の雪かきなど地域貢献に努める。小島義博監督は「地域に野球熱があり、人口は減っているが、(活躍で)活性化できると思う」と語る。
 今季は暖冬だが、例年の冬は雪が多くグラウンドが使えない日がほとんど。室内練習場での打撃やウエートトレーニングに加え、体幹を鍛える綱上りなど練習を工夫する。
 山本陸マネジャーは脳性まひのため電動車いすで学校生活を送る。ノックのボール渡しや記録入力などに取り組み、「小学生の頃から野球が好きで、本当はプレーしたい。みんなと野球ができることが楽しい」とやりがいを話す。選手らも必要に応じて自然に手助けするようになった。
 出場が決まれば、春夏連続で甲子園に登場した1987年以来。捕手の竹原壮吾主将(2年)は「30年以上遠ざかっている未知の世界。今からどうこうはできないが、選ばれればうれしい」と心境を語った。