会見で遺族と並び、いじめ防止対策推進法の速やかな改正を訴える越市長(東京都千代田区・文部科学省)

会見で遺族と並び、いじめ防止対策推進法の速やかな改正を訴える越市長(東京都千代田区・文部科学省)

 いじめ防止対策推進法の今国会での改正実現を求めて、大津市の越直美市長と大津いじめ事件の遺族が22日、関係国会議員や文部科学省に要望活動を行った。同様の意見書を提出した昨春から進展が見られず、会見ではいらだちをのぞかせる場面も。越市長は24日の市長退任後もいじめ防止の活動を続ける考えを示した。

 同法は2011年に大津市の中学2年の男子生徒=当時(13)=がいじめを苦に自殺した事件を契機として2年後に成立した。その後もいじめ事件は後を絶たず、法の実効性を高めるため、18年12月に超党派国会議員勉強会(座長・馳浩元文科相)が改正案のたたき台をまとめた。だが19年4月に公表された座長試案では、いじめ対策主任教員を置くことや規定違反の教員に対する懲戒を定めた文言などが削除され、被害者家族らは不満を抱いている。
 昨年4月に続いて要望に訪れた男子生徒の父親(54)は「座長案では生徒の命を守れない。当初の案に戻してほしい」と訴えた。見直し開始からの約2年間で「どれだけの子どもがいじめで亡くなり、不登校になっているか。あまりにも長い2年であったとしか思えない」と語気を強め、立法府の対応の遅さに憤った。
 越市長は、市が実施しているいじめ対策担当教員の配置や重大事態を調査する第三者委員会の中立性確保などを盛り込んだ意見書を馳座長に手渡した。座長からは超党派の議員連盟を新たに立ち上げる話があったという。「私がこうやって市長として要望できるのも最後。大津市の教訓を生かしてほしい」と述べ、自身の今後の活動についても「何らかの形で関わっていけたら」と意欲を口にした。