全国の図書館に寄せられた相談と回答を共有するデータベースの画面(京都府精華町精華台・国立国会図書館関西館)

全国の図書館に寄せられた相談と回答を共有するデータベースの画面(京都府精華町精華台・国立国会図書館関西館)

図書館の相談事例の閲覧数トップ10

図書館の相談事例の閲覧数トップ10

 全国の図書館が窓口で受けた相談や回答を共有するインターネット上のデータベースが、図書館の関係者以外からも注目を集めている。研究目的の相談だけでなく、「つまようじの溝は何のため?」「くまのプーさんの誕生日は?」といった素朴な疑問にも、司書らが専門知識を総動員して回答を載せているためだ。文献を根拠とした信頼性も魅力の一つで、運営する国立国会図書館関西館(京都府精華町)は「見ているだけでも好奇心が刺激されます」と利用を呼び掛けている。

 「レファレンス協同データベース」は、各図書館の問い合わせ事例を共有し、窓口対応の迅速化や利用者の調べ物に役立てようと2005年に開設した。現在は自治体や学校など818館が参加し、見られる質問や回答は約12万件に上る。

 質問は「尿素の溶解度についての資料は」「官庁へ出す是正報告書の書き方は」といった学術的、実用的な質問にとどまらない。中には「ひらがなの『へ』と、かたかなの『ヘ」の違いは」「伏見稲荷の鳥居は何本あるか」といった難問も多く、司書らがあの手この手で文献を調査。データベースには、回答に至る過程を説明する項目もあり、司書らが資料探しに汗を流す様子がうかがえる。

 答えにたどり着けない場合もあるが、つまようじの質問には、職人を取材した本から、溝はメーカーによって違い、ブランドのような意味があるとの回答を導き出した。プーさんの誕生日は研究書を当たって「10月14日」と割り出した。

 中には「魔法が使えるようになりたい」という6歳児のリクエストに応え、「魔女図鑑 魔女になるための11のレッスン」などの本を紹介した事例も。「お母さんと一緒に修行して、できるようになったら見せてくれるとのこと」とほほえましい窓口のやりとりも目に浮かばせている。

 国会図書館は、虚実入り交じるネットの情報に対し、典拠が示され、誰でも回答を検証できる信頼性も評価されていると分析。ツイッターで話題になることも多く、「司書って、すごい」「こんなことも聞いていいんだと安心感を得た」などの声があるという。

 同館は「寄せられた質問も図書館の資源。知的好奇心を刺激し、図書館を訪れるきっかけにしてもらえれば」としている。同館のホームページから閲覧できる。