来年2月2日投開票の京都市長選の告示まで、19日で2カ月となった。市民147万人の「明日」を、有権者は誰に委ねるのか。激戦が予想される選挙構図と今後の展望を探る。

朝の駅前に立ち、政策の訴えに力を込める村山氏(18日、京都市西京区)

 「革新勢力を市長にしてはならないという究極の脅し文句で、信任投票しかできない選挙が続けられてきた」。12日朝、京都市長選に立候補予定の京都市議村山祥栄(41)が伏見区の駅前で、従来の選挙構図を声高に批判した。

 現職の門川大作(68)を推す自民党などは市長選や京都府知事選で「共産党の首長を誕生させてはならない」を合言葉に、国政与野党による相乗り支援体制を堅持してきた。京都政界の「不文律」は保守層に根強く残る。村山が2016年の前回市長選で立候補を模索した際は、「共産が推す市長になったらどうするのか」という声が自身の支援者からも上がり、断念した経緯がある。

 今回、村山は共産と市民団体が推す弁護士福山和人(58)や門川に先んじて10月に立候補を表明した。「共産市長が誕生した時に村山のせいだと言われないため」と周囲は説明する。村山は代表を務めていた京都党も離れ、「新しい選挙をつくる」ともくろむ。

 村山は03年、25歳で市議選に初当選した。08年市長選では同和行政の終結や職員不祥事の一掃を掲げ、約8万4千票を獲得。10年の京都党結成後は、市議会の定数削減を求める直接請求や天皇陛下(当時)の退位後の京都居住を願う署名活動を展開した。明快な対立軸を示し、有権者に選択を迫る手法で支持を広げてきた。4月の市議選では、前回同様の5議席を維持した。

 京都党が根付く一方、伸び悩みも否めない。自身が4期連続でトップ当選している左京区はともかく、市議選で京都党から当選者を出したことがない伏見区や西京区など大票田では支持基盤が薄い。12年ぶりの市長選。村山は、門川を支持する保守層の切り崩しを狙う。「3期12年かけてできなかったことが、16年かけてできるわけがない」「もうすぐ69歳になる門川さんが未来に責任を持てるか。私は12年後、まだ53歳だ」。街頭演説では、門川の多選を厳しく批判しつつ、自身の若さをアピールしている。

 さらに「観光公害」を争点化しようと近く関連本を出版する。門川と福山が市職員の労組から支援を受ける枠組みをにらみ、人件費の削減を打ち出し、「無駄な大型事業」として市立芸術大(西京区)の京都駅前への移転中止など市役所改革も訴える。

 4年前の市長選では連携を探った日本維新の会は今回、候補者公募に動いた。7月の参院選で約5万8千票の市内比例票を得て一定の影響力を持つが、有力な候補は見つかっておらず、維新関係者は「事実上、村山に乗るか自主投票かの二択だ」と明かす。21日には、立憲民主党の京都市議が村山支持を表明し、市議会会派を離脱した。

 政党レベルの「非共産か共産か」という二択に代わる第三の選択肢として存在感を示せるか。京都市議から市長への転身者は、戦後市政の歴史にない。「まだまだ知名度が不足している。もっと分かりやすい争点を打ち出さねば」。公約を市民から公募するなど、村山は市内を走りながら選挙の風向きを探る。(敬称略)