カウンター席が中心の店内では、大久保さんとの会話も弾む。地元客と観光客が席を並べ、話が盛り上がることもあるという(伊根町平田・3rd PLACE イネバル)

カウンター席が中心の店内では、大久保さんとの会話も弾む。地元客と観光客が席を並べ、話が盛り上がることもあるという(伊根町平田・3rd PLACE イネバル)

伊根町の魚を使ったフィッシュ&チップス(右)と丹後地域で採れたジャガイモのポテトサラダ(左下)。フィッシュ&チップスは好みでモルトビネガー(左上)で食べる。

伊根町の魚を使ったフィッシュ&チップス(右)と丹後地域で採れたジャガイモのポテトサラダ(左下)。フィッシュ&チップスは好みでモルトビネガー(左上)で食べる。

 舟屋が立ち並ぶ京都府伊根町伊根地区を歩くと見えてくる観光交流施設「舟屋日和」の一角。木製のカウンター5席が中心の洋風酒場「3rd PLACE イネバル」は家庭や職場とは違った、心落ち着く「サード・プレイス」だ。
 食材の魚介類は、伊根漁港で行われる浜売りで仕入れたもの。野菜は丹後産のものを中心に使う。地元の人は家庭で地域の食材を食べており、地元産は当たり前。店主の大久保祐里さん(28)=同町大原=は「家であまり食べないものを出したかった」という。メニューはフィッシュ&チップスなど軽食が中心だ。
 鹿児島市出身で、高校時代に京都市へ引っ越した。団体職員だった2016年、偶然新聞で伊根町の地域おこし協力隊募集の記事を見つけ「思い切れるのは今のうち」と応募し、採用された。
 町での生活で「地元の人は集まって飲める場所が欲しいのでは」と感じた大久保さん。17年9月以降、協力隊の傍ら、舟屋日和の空きスペースを利用してイベント「イネバル」を不定期で開いた。「台湾からの観光客が地元の人と楽しそうに話しているのを見て『これがやりたい』と思った」と話す。
 協力隊の任期後、昨年6月に開業。全国からの観光客が立ち寄り、外国人客は台湾と欧州が多い。「今でも連絡を取るお客さまもいる。全国、海外に友人が増える感覚が楽しい」と語る。
 伊根地区では観光客が増加し、騒音などのトラブルもある。一方、店内では漁師が観光客におすすめの場所を紹介する姿もあるという。「どちらも会って話せば仲良くなり、見方も変わる。地元と観光客をつなぐ店にしたい」

 3rd PLACE イネバル 伊根町平田593の1舟屋日和内。水曜定休、臨時休業あり(1月は25~28日と31日のみ営業)。午後3時~午後9時。同店ホームページhttps://3rd-place-ine.com