企業などに属さずフリーランスとして業務請負で仕事をする人が300万人を超えることが、国の調査で分かった。

 就業者全体の約5%で、少なくない数である。組織や場所、時間にとらわれずに働く人が増えている表れだろう。

 働き方が多様化することは歓迎すべきだが、一方で問題も浮かび上がっている。

 仕事を発注する企業や団体との関係でフリーランスは立場が弱く、不利な契約を押し付けられることが少なくない。

 業務請負は現行法では雇用関係ではなく、労働者保護の法令は適用されない。仕事中のけがや病気で休んでも、休業補償などはないのが実態だ。

 国はフリーランスがさらに増える可能性があるとみている。ならば、社会の安全網(セーフティーネット)の外に置かれている状況は、改善が急務ではないか。

 厚生労働省の検討会はフリーランスを「雇用類似の働き方」と位置づけ、法的位置づけのあり方などを議論している。

 労災保険の特別加入の対象にフリーランスを含めることなどが課題だ。ただ、加入対象に加えても自己負担が大きければ、実際の加入は進まないだろう。保険料を仕事の代金や報酬に上乗せする制度が必要ではないか。

 日本俳優連合などは今夏、芸能や出版など幅広い分野のフリーランスにハラスメントなどについてアンケートを実施した。19日に公表された中間報告では、回答した828人の61%が発注者や関係者からパワハラ、35%がセクハラの被害を受けたと訴えた。

 契約を打ち切られるのが怖くて被害を表に出せない、という声も相次いだ。

 国際労働機関(ILO)は6月に暴力やハラスメントを法的に禁じることや被害者救済を確保することを求める新たな条約を採択した。保護の対象にはフリーランスも含まれている。

 雇用関係にかかわらず、働く人はハラスメントから守られるべきというのが、世界の潮流だ。

 国はこうした実態を把握し、法的な保護を進めてもらいたい。

 近年、見過ごせないのは、企業や役所が経費削減のために業務の一部を外注化して業務請負に出す例が増えていることだ。

 本来、外注の対象となるのは一時的、臨時的な業務に限られるはずだが、実際には基幹業務にまで及んでいる。社会が厳しく監視していく必要がある。