【資料写真】琵琶湖

【資料写真】琵琶湖

 今冬初めて「全層循環」の完了が確認されなかった琵琶湖を調べている滋賀県は30日、北湖に位置する水深約90メートルの「第一湖盆」で低酸素状態が続き、生物への影響が懸念される基準を約2年ぶりに割り込んだと発表した。一部の地点ではイサザやヨコエビの死骸も見られた。県は、生物への影響は限定的だが、低酸素状態が長引く恐れがあるとして、注意深く観測を続ける方針。

 全層循環は、冬場の冷え込みで酸素を多く含む表層の水が比重を増し、底層の水と混ざり合う現象。「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれ、生態系の維持に不可欠とされる。今冬は水深約80メートルまでは表層水が達したものの、より深い第一湖盆では1979年の観測開始以来初めて到達が確認できなかった。

 県によると、27日に実施した定期の水質調査で、7地点のうち4地点の酸素濃度が基準値(水1リットル当たり2ミリグラム)を下回った。30日に水中ロボットを投入し、最も少ない1・2ミリグラムだった地点で琵琶湖の固有種イサザや、ビワマスの餌となるヨコエビなどが死んでいる様子を撮影した。ただ、これらは琵琶湖の広い範囲に生息し、水質に変化がないことから、影響は今のところ限定的という。

 基準値を下回るのは10~12月が多く、今年は2~3カ月早い。春先から低酸素状態が続く年は過去に例がないといい、県は「長期化すればどんな影響が出るのか読めない。今後も調査を継続し、警戒していく」としている。