米グーグルやアマゾン・コムなどに代表される「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業を規制する初の指針案を公正取引委員会が公表した。

 インターネットの検索や通販などのサービスで、強い立場から個人の情報を不当に収集して利用する行為は独禁法上の「優越的な地位の乱用」に当たると初めて明記し、監視を強める姿勢を示した。

 これまで企業間の取引で適用されてきたが、利用者が自身の情報を巨大IT企業に提供することをサービスの対価と位置づけ、個人との関係も規制対象に広げた。

 ビッグデータを囲い込んで膨張する巨大IT企業の情報支配に歯止めをかける狙いといえよう。

 指針案が規制対象としたのは、検索や通販、動画や音楽の配信サービス、会員制交流サイト(SNS)などの運営・提供企業だ。

 サービスを提供する代わりに個人の情報を集め、他の分野にも使って事業拡大する一方、「リクナビ問題」など情報管理のずさんさが次々に明らかになっている。

 これらは代替可能な同種サービスがなかったり、あっても乗り換えが手間で困難だったりするのが現実だ。

 指針案は、利用者が不利益な扱いを受けても、サービスを使うため受け入れざるをえない場合を企業側の「優越的な地位」と認定。個人情報の収集に関する「乱用行為」を例示した。

 利用目的をはっきり知らせない▽サービスの対価以上に提供させる▽同意を得ない第三者への提供▽安全管理が不十分-などだ。利用規約に記しても曖昧だったり、難解であったりする場合のほか、不必要な位置情報や購買履歴の収集も対象となる。

 違反した企業には排除措置や課徴金納付の命令が出される。

 既存の独禁法を活用し、欧州より出遅れていた個人保護のルール整備に踏み出した意義は小さくない。強い立場の企業が都合のよい「利用同意」を盾に法の穴をつく行為を防ぎ、乱用を食い止めるのに必要な措置といえよう。

 政府は指針案への意見公募を踏まえ、早ければ10月にも運用を始める予定だ。

 ただ、代替可能なサービスがないなど「優越的な地位」の条件は必ずしも明確ではない。利用者が膨大なため、不当な情報収集やその被害をどう把握するかも大きな課題だ。実効性を高め、新規立法を含めて、企業側の対応の見直しを促すかが問われよう。