立憲民主党と国民民主党が、合流協議を打ち切った。

 自民党の「1強」に対抗すべく「多弱」を克服したいとの意気込みはどこまで本気だったのか、成算はあったのか。またも有権者の期待を裏切り、内輪もめの印象だけが残ったとすれば残念だ。

 立民が衆参両院で統一会派を組む各党に合流を提案したのを受け、両党は昨年暮れから協議を続けてきた。20日召集の通常国会に一つの政党として臨み、安倍晋三政権を追い詰める狙いだった。

 幹事長間で、合流の方向で大筋合意したものの、最終盤で党首同士が党名や綱領、合流後の人事、原発政策などを巡り対立。立民が国会召集前の合流を迫ったが、国民は結論を出さなかった。

 立民の「吸収合併」に対し、国民が「対等な立場」を求め、折り合えなかったためだ。昨年の参院選で立民と争った国民の参院側に反発が強く、強引に合流へかじを切れば党分裂を招く恐れがあったのも頓挫の要因とみられる。

 両党は今後、国会での共闘や次期衆院選に向けた協力を進めるといい、協議再開に含みを残した。とはいえ合流構想はかえって野党内の意見対立を浮き彫りにした。政策の違いに加え、とりわけ相互不信の溝が深いと言えよう。

 共同通信の世論調査では、両党の合流に「期待しない」との回答が約7割に上った。党内抗争に明け暮れた旧民主党時代をほうふつとさせたためであろうか。

 政党として合流するには、基本政策の一致は言うまでもない。大義を欠いた数合わせの合流は再び分裂を招く。確執を抱えていては野党結集の先行きは甘くはない。今しばらく両党が互いに信頼醸成を図らねばなるまい。

 両党だけでなく、共産党なども加わり、次期衆院選の共通政策作りを進める動きもある。憲法や環境問題、少子高齢化といった課題で意見をすり合わせれば、共闘できる部分は少なくないだろう。

 今国会は「桜を見る会」疑惑や統合型リゾート施設(IR)事業に絡む汚職事件など野党にとって攻めどころが多い。まずは政権追及で足並みをそろえる必要がある。統一会派は両院合わせて181人に上り、全議員がまとまればあなどれない勢力に違いない。

 安倍政権には、長期ゆえのおごりや緩みが目立つ。「安倍1強」を許し、長らく「多弱」に甘んじてきた野党の責任は大きい。野党結集こそが政治の再生へ鍵を握ると言っても過言でない。