市役所入り口前(右奥)まで増えている駐輪。灰色の点字ブロックを覆う事態になっている。手前がスーパー入り口=向日市寺戸町

市役所入り口前(右奥)まで増えている駐輪。灰色の点字ブロックを覆う事態になっている。手前がスーパー入り口=向日市寺戸町

 スーパーなどと併設された府内でも珍しい京都府向日市役所東向日別館=同市寺戸町=前で、駐輪問題が深刻化している。スーパーや近くの阪急東向日駅利用者の自転車とみられ、通路が狭まって車いす利用者が市役所に入れないほか、点字ブロックを覆うなどの支障が出ている。市は利便性の向上などを目指してまちの中心部に別館を整備し、窓口のある課を移転させたが、対応を迫られる事態になっている。

 左半身が不自由で、電動車いすを利用している女性(69)=同=は毎月、障害に関する手続きで東向日別館を訪れる。多くの駐輪で、電動車いすで通行できるスペースがなく、スーパーの従業員か市職員に自転車の移動を依頼する。
 女性は、施設が駅前にあり、ほかの利用者が自転車を止めたい気持ちは分かる、とした上で、「市は、移転する時にこの状況を想定できなかったのだろうか」と疑問を呈する。
 東向日別館は、住居やスーパー「イオンフードスタイル東向日店」との複合施設内に2018年5月に完成した。交通アクセスのいい阪急東向日駅近くにあり、市は市民課や障がい者支援課、高齢介護課、子育て支援課など窓口業務を本館から移した。
 施設には104台分の駐輪ラックを設けているが、その半分は開庁時間までに埋まっていることもあり、近くの駅利用者らが使っているとみられる。日中はラックがほぼ満杯で、入りきらない自転車は、本来駐輪スペースではない市役所とスーパーの入り口前のほか、通路に止められることもある。目の不自由な人が利用する点字ブロックの上に自転車が並べられることは常態化している。
 市は「抜本的な対策が必要。本来の利用者以外の流入を減らすことからはじめ、関係団体と協議しながら整理を進めていきたい」としている。

■整理員費用負担や管理 住民「市などに責任」

 市役所東向日別館前で増加している駐輪対策として、市が検討しているのは、入り口付近を駐輪禁止区域に設定し、整理員を配置する案だ。「市役所来庁者の駐輪台数は1時間あたり5台程度」として、整理員の費用負担は、市だけでなくイオンフードスタイル東向日店を運営するダイエーや住民による管理組合にも求める申し入れをしている。
 ただ、建物の使用規則で、駐輪については「区分所有者の責任で対処する」ことが事前規定されている。管理組合は「市は入居時に規定へ同意した上で契約しており、共有部分の専有を求めるのは筋が違うのでは。費用負担も含めて、駐輪に対する管理義務がある市とダイエーで対応すべき」としている。
 これまで市は迷惑駐輪を防止する柵を設置したほか、駐輪ラックの管理会社と協議し、料金の値上げを実施するなどしてきた。店舗を運営するダイエーも従業員が整理を行っているがいずれも解決には至っていない。同社広報担当者は「近隣の方にご迷惑をおかけしており、大変申し訳ない。改善に努めたい」としている。