東京五輪開幕まで半年だ。

 日本選手団が開会式の入場行進で着用する公式服装が、23日に披露された。「共生社会の象徴」として、五輪とパラリンピックの選手が同じデザインの服を使用するという。

 「ストレッチ(伸縮性)が利いているので、疲れない」と競泳男子の瀬戸大也選手は感想を述べた。

 大会運営の在り方もぜひ、「伸縮性」の利いた柔軟なものであってほしい。

 東京五輪には史上最多の33競技に選手1万人超が参加し、来場者は延べ約1千万人が見込まれる。パラリンピックには4400人の選手が集う。

 何より求められるのは「選手第一」である。猛暑対策でマラソンと競歩が札幌開催となったが、それ以外の競技も、入念かつ臨機応変の暑さ対策は欠かせない。

 ほかにも薬物検査の体制づくりや、ボランティアの活用など準備は多岐にわたる。海外から訪れる選手や観客をどう迎えるか、招致演説の「お・も・て・な・し」の具体化も問われよう。

 大会で想定される「リスク」はさまざまだ。

 大会組織委員会は台風や地震のほか、感染症、停電、サイバーテロ、火災などの事態を想定した対策づくりを急いでいる。

 台風なら予報に基づき競技実施計画を変更する。地震には震度や規模に応じた避難計画を策定する―。そうしたきめ細かな対応で備えを万全にしておきたい。

 それでも「まさか」という事態が起こる可能性はある。

 先ごろ大手電機メーカーに対するサイバー攻撃が表面化した。中国で発生した新型肺炎は拡大の様相を呈しており、「新たな脅威」が浮上している。

 柔軟に対応するためには、関係者が立場の違いを乗り越え、いかに問題意識を共有できるかが鍵となるのではないか。

 昨年のラグビーワールドカップ(W杯)は、台風に見舞われながらも大きな混乱がなかった。そこで得られた知見を生かしたい。

 前回の東京五輪は新幹線や高速道路などインフラ面の整備がめざましかった。

 組織委は「共生社会の実現」を掲げる。それは、日本がこれから進むべき方向とも重なる。

 バリアフリー化の視点でインフラを再点検し、多様な人々が互いの違いを認め合う社会づくりにつなげる。その第一歩を印象づける大会にしたい。