来年度からサービスを拡充する城陽市の富野幼稚園(同市富野)

来年度からサービスを拡充する城陽市の富野幼稚園(同市富野)

 園児が減少する公立幼稚園のあり方を巡り、京都府南部の山城地域の各市が対応を迫られている。城陽市は、市内唯一の富野(富野)で来年度から3歳児保育を始め、預かり保育も拡充する方針を打ち出した。宇治市は4園のうち大久保(大久保町)を本年度末で廃止し、園児の集約を図る。保育園需要の高まりを受け、幼稚園と保育園の機能を兼ね備えた認定こども園への移行を進める市もある。

 城陽市の富野幼稚園の本年度の園児数は10年前のほぼ半分の41人で、今年4月入園予定の4歳児は8人。減少に歯止めがかからない中、有識者や保護者代表らでつくる市公立幼稚園運営懇話会の提案も踏まえ、サービス拡充を目指す。
 共働き世帯が増え、保護者の需要は幼稚園から保育園にシフトしている。同市の3~5歳の園児数は、2009年度は幼稚園の1020人に対して保育園が804人だったが、本年度は幼稚園が686人で保育園は939人。保育園では4月1日時点で、特定の園を望むなどの事情がないのに入園できない「待機児童」が49人生まれた。
 定員を超過して園児を受け入れる保育園がある一方で、本年度の富野幼稚園の定員充足率は約6割。市教育委員会は「市の子育て環境を考える中で、待機児童解消は急務。サービス拡充で解消につながれば」とする。


 宇治市では17年度、公立幼稚園の園児数が定員の約3割まで落ち込んだ。市教委教育総務課は「公立幼稚園は、就学前教育の中核的な役割を担う必要がある。役割を果たすには、一定の園児数が必要」と、大久保の廃止に理解を求める。
 園児の集約を図りつつ、東宇治(五ケ庄)で本年度に3歳児保育、神明(宇治)と木幡(木幡)で18年度に預かり保育の試行を始め、園児の確保を目指している。木津川市も18年度に週2日の預かり保育をスタートさせ、本年度の2学期から3日に拡充した。

 認定こども園への移行に積極的なのは、八幡市と京田辺市だ。八幡市は13年度、同市内里の有都幼稚園と有都保育園を統合し、府内初の認定こども園「市立有都こども園」を発足させた。今後も移行を進める方針という。
 本年度、八幡第二(男山)が園児減少を受け休園。公立幼稚園の現状は厳しさを増す。市保育・幼稚園課は「保育園ニーズが高まる一方、公立幼稚園を求める保護者もいる。両方の要望に応える」。

 5市で最も多い八つの公立幼稚園がある京田辺市。市内の公立幼稚園の園児数は、15年度に預かり保育を全園で本格導入して回復したが、幼保無償化の影響もあり、本年度は再び700人を切った。
 市は、今後は減少傾向が続くとみて、市の北部・中部・南部に市立の認定こども園を配置した上で、市立の幼稚園と保育園を再編、集約する方針だ。

 保育園需要の高まりだけでなく、無償化で私立幼稚園に対する経済的な優位性も薄まった。公立幼稚園の意義はどこにあるのか。
 城陽市教委は「自由な遊びの中で集団性を育む教育は、公立ならでは」とする。同じ教委が所管する施設のため、小学校と連携し、幼小接続を図る事業を手掛けやすいメリットもあるとする。今後は拡充したサービスとともに、教育内容の情報発信も強化していく。