「性教育の基本は人間関係を正しく結ぶ大切さを教えること」と語る関口教授(京都市伏見区・京都教育大)

「性教育の基本は人間関係を正しく結ぶ大切さを教えること」と語る関口教授(京都市伏見区・京都教育大)

 京都新聞社は昨年12月、子どもの性と会員制交流サイト(SNS)などの問題について意見や保護者からの悩みをアンケートした。SNSなどの利用に大人の目が行き届かないことへの不安や氾濫するゆがんだ性情報との向き合い方に戸惑う声が目立った。アンケートを踏まえ、ネット時代の性教育の在り方について京都教育大の関口久志教授(セクシュアリティ教育)に聞いた。

 -SNSなどの利用について大人の目が行き届かないという悩みが多かった。
 「子どもの方が親よりも機器に詳しく、利用制限や管理を完璧にするのは難しい。親子で話し合ってルールを作り、子どもが自ら歯止めをかけられるようにする必要がある」

 -子どもがルールを破るという声もあった。
 「ルールは親が一方的に決めず、子どもが納得したものでないといけない。それでも破ることがあるだろう。その時は話し合い、再度破られたらまた話し合うというプロセスが重要だ。その過程で子どもはルールの意義や約束を守ることの大切さを学んでいく」

 -アダルトサイトなどの過激な映像が子どもに与える影響は。
 「児童ポルノを子どもが目にすると、自分は性的に価値があると受け取ってしまうし、低年齢の子どもほど影響は大きい。利用制限をかけるのと同時に『過激な性情報は男性のファンタジーを商品化したもの』と批判的に見る力を子どもに付けさせなければならない」

 -どのような子どもが性被害に遭いやすいか。
 「実生活に居場所がない子どもたちだろう。自分の裸の画像をSNSで大人に送り性被害に遭うケースが増えているが、寂しくて相手をつなぎ止めておきたい心理が働いている。根本的な問題を解決しないと、SNSから隔離しても別の依存症になり得る」

 -日本の性教育の問題点は。
 「学校で学ぶ時間が少なすぎる。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の国際セクシュアリティ教育ガイダンスはトレーニングを受けた教員が年間10~12時間教育すべきとしているが、日本では中学3年間で性教育を学ぶのは計9時間程度だ。日本で性はタブー視されていて教員も十分な性教育を受けてこなかったため、どう教えてよいのか分からないのが本音だろう。知識だけでなく、自分と相手を大切にすることを家庭と連携して教えるべきだ」