日本陸連の設定記録を突破する2時間21分47秒で優勝した松田瑞生(ヤンマースタジアム長居)

日本陸連の設定記録を突破する2時間21分47秒で優勝した松田瑞生(ヤンマースタジアム長居)

 東京五輪マラソン代表の最終3枠目を懸けた大阪国際女子マラソンは26日、大阪市のヤンマースタジアム長居を発着点とするコースで行われた。昨年9月の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」4位の松田瑞生(ダイハツ)が、日本陸連の設定記録(2時間22分22秒)を上回る2時間21分47秒をマークして2年ぶりに優勝。初めての五輪出場へ近づいた。

 折り返し地点を通過して予感は確信に変わった。「いける」
 松田はスタート直後から攻めた。想定より1キロ2~3秒は速かったペースメーカーの新谷仁美(積水化学)をあおるようなハイペースを刻む。心では「新谷さん、速いって」と思いつつ、快調に飛ばし続けた。
 昨年9月のMGCの悔しさが原動力だ。本命と目されながら、想定外の展開に心が乱れ、五輪切符をつかみ損ねた。レース後は「走りたくない」ほどに落ち込んだが、自転車で練習に付き合ってくれる姉ら家族や周囲の支えで再起した。
 初マラソンだった2年前の大阪国際を制してMGC出場権を獲得し、ベルリンで自己ベストの2時間22分23秒をマーク。その記録を1秒上回るタイムが設定記録となり、過去の自分に勝つことが命題となった。
 月間1300キロの走り込みで絞り抜かれた体、正確なピッチ、逃げ切るスタミナ―。MGCとは別人の堂々とした走りで2位の外国人ランナーにも1分近い差を付け、最終選考の名古屋を目指すライバルに重圧を与えた。
 日本記録を狙っていたという松田は「タイムはいま一つだけど最低ラインは越えられた」。挫折を乗り越えたスピードランナーが本来の笑顔を取り戻した。