老人ホーム「ヴィラ城陽」付近で、職員が撮影したサル。近くにある畑の野菜が被害に遭った(城陽市市辺)=ヴィラ城陽提供

老人ホーム「ヴィラ城陽」付近で、職員が撮影したサル。近くにある畑の野菜が被害に遭った(城陽市市辺)=ヴィラ城陽提供

 京都府城陽市の青谷地域でたくさんのサルが老人ホームや住民の畑を荒らし、ホームの職員らが「人に危害を加えるかも」と不安を募らせている。市や府は対応を急いでいる。

 同市市辺笹原の老人ホーム「ヴィラ城陽」。職員が今月14日に撮影した動画には、駐車場付近の空き地を歩き回ったり、高台から木に飛び移ったりするサルが写る。
 「施設の敷地内も歩き回り、職員と入居者が畑で育てていた野菜もやられた。20~30匹はいた」。職員に聞き取った萩原洋次施設長は肩を落とす。
 約800平方メートルの畑ではタマネギや大根、ニンジンなどが引き抜かれ、かじられた。近隣住民の家庭菜園でも被害が出ているといい、一時は入居者の散歩を取りやめるなど危害を加えられないよう警戒する。
 市は翌15日、ヴィラ城陽からの情報に基づき、安心・安全メールを登録者に配信し、注意を呼び掛けた。これまで市内でのサルの目撃情報は年に1度、住宅街で1匹が見つかる程度だったといい、「今後、たくさんの出没が続くようなら、サルに特化した対策が必要」(農政課)とする。
 府山城広域振興局農林商工部によると、2014年度の調査で山城地域では木津川市、宇治田原町、和束町、笠置町、南山城村にニホンザルが6群れ、420匹いると推測されている。18年度には井手町も含めた6市町村で計965万円の農業被害や、民家の雨どいが壊されるなどの被害が確認されたという。
 同振興局は群れが分裂し、出没範囲が広域化しているとみて、19年度、府や5市町村が参加する山城地域ニホンザル被害対策広域協議会を発足させた。現在、5年ぶりに群れの実態を調査しており、連携して対策を進める。
 同部は「冬場で山に餌がなくなり、餌を求めて人家のある方に移動している可能性がある」と指摘。出荷しない農作物を畑や家の周りに放置したり、サルと目を合わせたりしないよう呼び掛けている。