大覚寺境内にある大沢池。3月から有料になる(京都市右京区)

大覚寺境内にある大沢池。3月から有料になる(京都市右京区)

冠木門の設置予定場所に掲げられた有料化告知の看板

冠木門の設置予定場所に掲げられた有料化告知の看板

 真言宗大覚寺派大本山・大覚寺(京都市右京区)が、境内にある大沢池を3月16日から有料化する。嵯峨天皇の離宮造営に由来する国指定名勝だが、一昨年9月の台風21号により池の周囲で70本以上の木が倒れる被害に遭った。有料化による収入を新たな植樹などの復旧費用に充てるほか、広大な池を将来にわたって維持管理するためにも拝観者からの協力を募ることにした。宗派は「1200年続く池をこれから先千年も守り続けるための決断」としている。

 大沢池は、平安時代初期に嵯峨天皇が離宮を造営した際に中国の洞庭湖を模して造られた日本最古の人工の林泉。大覚寺境内の東側にあり、池の周辺には百人一首にも詠まれた「名古曽の滝跡」や菅原道真を祭る「天神島」がある。

 これまでも観光シーズンなど一時的に有料にすることはあったが、通年での有料化は初めて。宗派内部で昨年1月ごろから検討を開始した。池の入り口に新しく冠木(かぶき)門を設置するなど現状変更を伴う工事が必要となるため、8月ごろから文化庁と協議を重ね、12月に承認されたという。現在、寺や池の入り口に看板を設置して有料化を告知すると同時に、周遊道路の拡幅といった安全確保のための工事を進めている。

 拝観料金は大人300円、小中高校生100円。諸堂の見学は別途料金が必要。大覚寺派の岡村光真財務部長は「参拝に来られた方が『来てよかった』と思ってもらえる池の整備を目指して努力したい」と話している。