バイキング形式で提供されている京丹後市産の「ファイトリッチ」シリーズ(京都市下京区・「都野菜 賀茂」)[LF]

バイキング形式で提供されている京丹後市産の「ファイトリッチ」シリーズ(京都市下京区・「都野菜 賀茂」)[LF]

 野菜消費量の減少が続く中、種苗会社と農家、飲食店が共同で、種を軸にした野菜の高付加価値化に取り組んでいる。タキイ種苗(京都市下京区)が開発した栄養価を高めた野菜を京丹後市の農家グループが特産化を目指して栽培。京都市内で3店舗を運営する飲食店「都野菜 賀茂」が期間限定で提供し、魅力をアピールしている。

 農林水産省や厚生労働省の調査によると、1人あたりの年間野菜消費量は減少傾向で、1996年度の105キログラムから2016年度は89キログラムまで減っている。また、若い世代を中心に各世代とも1日350グラムの摂取目標量に届いていない。

 タキイ種苗は、これらの背景に加え、少子高齢化や人口減を見越し、25年ほど前から栄養価を高めるなどした野菜の開発に取り組んできた。2010年に「ファイトリッチ」シリーズとして7品種を発売し、現在はトマトやニンジン、ホウレンソウ、ハクサイなど20品種まで拡大している。

 これに着目した京都府京丹後市などの若手農家ら6軒が全国初となる「ファイトリッチ生産部会」を結成。同社の技術指導を受けながら同シリーズを栽培して高付加価値化を目指す中で、「都野菜 賀茂」を加えた3者で「旬べじプロジェクト」に取り組み、京丹後市も補助金などで支援する。

 まずは消費者に知ってもらおうと、9日まで同店でバイキング形式で部会メンバーが栽培したファイトリッチシリーズを提供し、食べ比べてもらうフェアを開催している。

 部会メンバーで流通や販路開拓を担う農産物卸売会社田園紳士(京丹後市)の森下裕之社長によると、既にレストランや高級スーパーから引き合いがあり、相場より高く取引されているという。「寒暖差が大きく甘みが強くなる土地柄で、部会として多様な種類を一定量提供できるのが強み。ファイトリッチの産地として京丹後のブランド化につなげたい」と意気込む。