適切な塩分摂取を社会的にどう働き掛けるかを考えたフォーラムの参加者ら(京都市右京区・京都栄養医療専門学校)[LF]

適切な塩分摂取を社会的にどう働き掛けるかを考えたフォーラムの参加者ら(京都市右京区・京都栄養医療専門学校)[LF]

 日々の食事において塩分の取り過ぎが腎不全をはじめとする病気の発症につながるとして、適切な摂取を社会的にどう働き掛けるかを考える「適塩フォーラムin Kyoto」が、このほど京都市右京区で開かれた。

 腎臓内科医らでつくる京都腎臓病総合対策推進協議会が主催し、3回目。医師や栄養士、保健師ら約100人が参加した。

 府民の平均寿命は男性3位、女性9位でともに全国上位の一方、日常生活で病気による制約のない「健康寿命」では、一転して男性28位、女性は44位と大きく低下し、いかに健康を維持する生活習慣を浸透させるかが課題となっている。

 2016年度に実施した調査結果によると、府内の成人1日当たりの食塩摂取量は平均9・9グラムで、男性8グラム、女性7グラムの目標値を上回り、前回11年度から微増したという。府健康対策課の担当者は「かなりの府民が過剰摂取している上、(18年前、10年前と減少を続けたが)下げ止まりの傾向にある」と指摘した。

 平均摂取量は全国並みだが、摂取量の4分の3を占める調味料のうち、京都はみそが少なく、しょうゆが多い傾向があるという。またコメより塩分を含むパンの摂取量が多かった。パン好きで知られる京都の土地柄も塩分摂取量の多さに影響しているのではないか、との見方も示した。

 事例発表では、市民の腎不全や心疾患を減らす健康づくりの一環で、宇治市がスーパーや短期大などとの産学公連携で17年度から進めてきた適塩活動について説明した。

 健康生きがい課の三好小百合さんが、小学校の出前授業や、若いお母さんをターゲットにした料理教室、レシピ配布、さらに市民が利用できる市庁舎食堂で提供した「減塩定食」の開発といった取り組みについて語り、「減塩、適塩を日常で聞くような環境をつくって関心のなかった人を巻き込み、学ぶ場もある循環を目指したい」と述べた。

 府食生活改善推進員連絡協議会は、高校生らの若者と現役世代、高齢者と3分野に分け、それぞれの事情に応じた働き掛けを行っていることを報告した。

 フォーラムに先立つ基調講演では、広島県呉市でプロジェクトを主宰する日下美穂医師が、飲食店のメニュー開発や、小中学校における減塩給食導入、かかりつけ医への受診時に尿検査で摂取量を調べる仕組みなど、多職種連携で推進してきた経験を紹介した。