京都市長選(2月2日投開票)の候補者3人に、京都市政の主な課題についてどのように考え、対応するかを聞いた。(上から届け出順。原則としてアンケートの回答をそのまま紹介します)

 2018年に京都市を訪れた観光客は5275万人で3年連続減少したものの、外国人宿泊客数の増加などがあり観光消費額は1兆3千億円超と過去最高を記録した。半面、ホテル建設ラッシュによる地価高騰で市中心部はオフィスや住宅確保が難しくなり、市バス混雑などの課題も浮上している。オフィス不足への対応もあって市は景観政策の見直しに動き、一部地域での規制緩和方針を打ち出している。まちづくりや市財政に大きくかかわる大型公共事業では、北陸新幹線の新大阪延伸などが計画されている。

【「観光公害」にどう対応するか】

門川大作候補

 

 市民生活を最重要視し、「観光地・市バスの混雑」「マナー違反」「宿泊施設の急増」など、観光の今日的課題の解消に向け、新たに充実・強化した50の取り組みを市民や事業者、国等と連携しながら全力で取り組む。市民の安心・安全や地域文化の継承等を重視しない宿泊施設をお断りするなど、観光の課題「解決」先進都市を市民ぐるみで実現するとともに、市民生活の豊かさにつなげる「持続可能な観光」に向けて、全力で取り組む。

村山祥栄候補

 

 ホテルは立地規制をした上で、災害時にホテルを避難所として開放する災害協定の締結を進め、新たなホテル誘致を規制しつつ既存のホテルにも市民にメリットを提供してもらう。また、宿泊税は全額交通混雑対策に充て、市バスと地下鉄の乗り継ぎ無料化による電車への誘導、市バスの生活路線と観光路線の分離を進める。加えて、「京都はマナーにうるさい」というイメージを持ってもらえるよう観光マナーのルール化を行う。

福山和人候補

 

 観光公害は訪日観光客の誘致を野放図にすすめた結果である。仁和寺前や南禅寺参道、学校跡地等への住民総意をふまえないホテル誘致も問題だ。観光の意義は大切にしつつ住民生活とのバランスある施策に転換する。宿泊施設は総量規制し、簡易宿所は管理者常駐や住民合意など条件を厳格化する。車両流入規制、バス増便、住民と観光客との分離等を行う。域内企業に地域貢献を求め、住んでよし訪れてよしの観光へ転換する。


【景観政策とインフラ整備の方向性は】

門川大作候補

 

 京都の魅力を将来に受け継ぐため、京都の景観の守るべき骨格を堅持していく。そのうえで、人口減少社会においても、将来にわたり、市民・事業者の皆様が安心・快適に暮らし、働き、活動できるよう、地域ごとの特性やビジョンを踏まえ、必要に応じて高さ規制や用途規制の柔軟な運用なども行いながら、より質の高いインフラを整えていくことが必要。時代に沿ったより良いあり方に向け、皆様と議論を重ねて取り組んでいく。

村山祥栄候補

 

 「京都らしい町並みを!」ということではじまった市内一律の屋外広告物規制だが、市内周辺部まで杓子(しゃくし)定規に一律規制は過剰規制である。地域にあった街づくりが必要であり、市内周辺部の屋外広告物規制は緩和していく。また、田の字地区は大通り沿いが31メートルの高さ規制、内側が15メートル高さ規制だが、景観を損ねない範囲で内側の高さを緩和するなど地域単位で規制を見直し、土地の有効活用を行う。

福山和人候補

 

 京都の価値は三山の景観と町家や寺社仏閣などの低層建築を中心としたまちづくりによって形作られてきた。京都らしさが失われては元も子もない。百年の大計と位置づけた「新景観政策」は堅持すべきである。

 防災と生活の維持に不可欠な道路、橋、河川、施設等、市が管理するインフラの整備を地元密着型の公共事業で着実にすすめる。北陸新幹線延伸やリニア誘致など莫大(ばくだい)な市民負担をもたらす事業は慎重に検証する。