向日市図書館で常設されている渡邊さんのコレクション。2カ月に1回展示替えされる(同市寺戸町)

向日市図書館で常設されている渡邊さんのコレクション。2カ月に1回展示替えされる(同市寺戸町)

 向日市図書館(京都府向日市寺戸町)で、椿(つばき)博士として知られた同市出身の渡邊武さん(1913~2004年)の収集品を紹介している常設展が、展示の開始から四半世紀を迎えている。多彩なコレクションを通じて、その足跡を伝える取り組みとして続けられ、来館者からも親しまれている。

 渡邊さんは東京帝国大で薬学を学んだ後、大手製薬会社の研究員などを歴任。宮内庁から正倉院の香薬調査を委嘱されるなど薬学の専門家として活躍する一方、椿の魅力にみせられてさまざまな関連作品を集めた。1994年にコレクション約1500点を市図書館に寄贈した。
 同館では、同年から収集品の常設展示を行っている。作品は多岐にわたり、3月に奈良市の東大寺二月堂で行われ、お水取りの名で知られる「修二会(しゅにえ)」で飾られる椿の造花をはじめ、各工芸品を展示。交流のあった版画家棟方志功の書簡や陶芸家河合卯之助の皿なども並べ、その足跡も伝える機会にもなっている。
 展示開始から25年が過ぎ、来館者の間でも関心が高まりつつあるという。図書館は「椿に関する作品で和んでもらいながら、渡邊先生の功績やコレクションを知る機会にしていきたい」としている。