赤野井湾に設置されている真珠の養殖棚。プレジャーボートで立つ波で養殖にも影響が出ている(2019年12月、守山市沖)

赤野井湾に設置されている真珠の養殖棚。プレジャーボートで立つ波で養殖にも影響が出ている(2019年12月、守山市沖)

拡大される規制水域

拡大される規制水域

 滋賀県は、真珠の養殖場になっている守山市の赤野井湾で、プレジャーボートの航行を原則禁止する航行規制水域を拡大する。ボートが起こす高波により養殖作業に危険が及んだり真珠の生育に影響が出たりしているためで、波の抑制を求めてきた漁業者の声を受けて決めた。早ければ3月中旬にも拡大する。


 赤野井湾は沖合に消波施設があり、穏やかな水域になっている。昭和30年代前半から真珠養殖が続けられており、現在は地元業者や玉津小津漁協が3区画に約3万2千平方メートルの養殖棚を設置している。
 県は2012年4月、湖岸延長約0・9キロの範囲で囲んだ水域を航行規制水域に指定した。しかし規制範囲が狭かったため、ボートが消波施設を越えて養殖棚周辺まで近づくことができ、水上スキーのウエークボードを引っ張るボートの波で、養殖棚で作業中の漁業者が湖に転落してけがしたほか、真珠の母貝が流されたり真珠が変色したりする被害が出ていたという。
 同漁協と県、日本ウェイクボード協会県支部(大津市)は17年4月から、消波施設内側の航行を自粛することを申し合わせた。ただ、夏場は他府県から訪れる人が多く、昨年も同水域での航行規制違反の通報が県に3度入るなど、改善は進んでいないという。
 県は琵琶湖レジャー利用適正化審議会の意見を踏まえ、湖岸延長約1・8キロの範囲で囲む水域に規制を広げ、消波施設の内側全域を航行できなくすることにした。
 同漁協の田中善秋組合長(72)=守山市赤野井町=は「ボートが旋回する度に大きな波が起こり、漁業者が転落したり、ひもが切れて母貝が死ぬ被害が出ている。消波堤の意味がない状況が続いており、県には15年以上前から規制強化を求めていた。やっと動いてくれた」と話している。