洛西ニュータウンで交通政策を訴える候補者(京都市西京区)

洛西ニュータウンで交通政策を訴える候補者(京都市西京区)

 明かりがともり始めた洛西ニュータウン(京都市西京区)の団地に向かい、新人村山祥栄(41)が声を張り上げる。「私がやると言い出したら、他の候補も言い出した」。選挙中盤の23日、最後の日曜となった26日と立て続けに入り、公約の新交通システムの実現を訴えた。

 村山は専用レーンを走る高速バス「BRT」の洛西への導入と、市立芸術大(同区)の京都駅前への移転中止を掲げる。「芸大移転の最大の理由は洛西が不便だから。取り残される住民はどうなるのか」と、2018年から政策を練ってきた。
 高度成長時代に開発された各地のニュータウンは、建物と住民の高齢化が著しい。洛西では宅地開発と同時期に市が構想した地下鉄延伸が実現していない経過もある。「生活の足」の確保は切実な問題だ。
 告示前、他の2候補も洛西への新交通システムの導入を表明し、村山の独自色はかすんだが、支持を受ける若手経営者をつてに企業回りを重ね、民間資金で市中心部の地下に無人小型シャトルを走らせる「次世代型環状線」も訴える。
 「耳に心地よいことを言っている村山さんの元に若い経営者が集まっている」。22日、下京区であった現職門川大作(69)の経済団体の決起集会で、市中央卸売市場協会の幹部が危機感を訴えた。28日には門川が若手経営者らとの意見交換会に参加。「村山に票が流れれば保守が割れ、福山を利することになる」(選対)と新たな層の取り込みに力を入れる。
 門川は市バス均一区間の拡大などを掲げ、地下鉄東西線と洛西、長岡京市などを「新交通システムで結ぶ構想」を押し出す。自民党主導で告示直前に発表し、選対は「国や京都府との連携の象徴」とアピール。市内の演説会では自民市議が「地下シャトルなんて実現不可能だ」と村山を批判した。門川は他候補が不要とする北陸新幹線の延伸を含め、「実現できるのは私だけ」と強調している。
 「環状線とか派手なアドバルーンはない。30年後のリニア新幹線や北陸新幹線延伸より『今日乗るバスをどうにかして』という思いに応えたい」。新人福山和人(58)は23日夜、北区の山間地、原谷地区で住民を前に訴えた。
 バスの本数が少なく、通勤や通学は不便で、高齢化も深刻。そんな地域は市全域に点在するとみて、各地で対話集会を重ねる。選対には「スーパー撤退で買い物が不便」「区役所へのアクセスを改善して」との声が集まっており、「切実な要求を福山の票につなげる」ともくろむ。
 福山は昨年12月、洛西へのLRT(次世代型路面電車)導入を打ち出した。「みなさん、中心部より格差がありますよね。来ると言っていた地下鉄は来なかった」。25日、洛西ニュータウンの街頭で訴えると、買い物客に駆け寄った。
 人口減少時代に避けて通れない交通問題。3候補が主張を交錯させ、選挙は終盤に突入した。(敬称略)

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 2月2日投開票の京都市長選へ、身近な市政課題を随時取り上げていきます。