中国の宮殿の楼閣に遊ぶ帝王を描いた襖絵「唐人物図(鞨鼓楼図)」(京都市東山区・(6)新善光寺)

中国の宮殿の楼閣に遊ぶ帝王を描いた襖絵「唐人物図(鞨鼓楼図)」(京都市東山区・(6)新善光寺)

9代伊東久重作の御所人形。ベビー服を着た人形は光淳皇后が非常にかわいがったという(上京区・大聖寺)

9代伊東久重作の御所人形。ベビー服を着た人形は光淳皇后が非常にかわいがったという(上京区・大聖寺)

華麗な「高台寺蒔絵」で彩られた霊屋の内部。中央の厨子には秀吉の念持仏「大随求菩薩坐像」が納められている(東山区・(3)高台寺)

華麗な「高台寺蒔絵」で彩られた霊屋の内部。中央の厨子には秀吉の念持仏「大随求菩薩坐像」が納められている(東山区・(3)高台寺)

加藤清正が持ち帰った朝鮮石を井筒にしたという「掘り抜き井戸」(北区・(8)総見院)

加藤清正が持ち帰った朝鮮石を井筒にしたという「掘り抜き井戸」(北区・(8)総見院)

 通常非公開の社寺や宝物を期間限定で公開する観光キャンペーン「京の冬の旅」の非公開文化財特別公開が京都市内で開催中だ。54回目となる今回は、15カ所の公開寺院が「京の御大礼 雅の御所文化」や「明智光秀と戦国の英傑たち」をテーマに拝観者を受け入れている。
 華やかな御所文化を今に伝える尼門跡は上京区の大聖寺や光照院など5カ所を公開。優美な御所人形や障壁画を鑑賞できる。皇室の菩提(ぼだい)所として知られる泉涌寺(東山区)は霊明殿や御座所、塔頭の新善光寺などが開かれている。後嵯峨天皇勅願で創建された新善光寺では幕府御用絵師だった狩野周信(ちかのぶ)筆の襖絵が見られる。
 桃山文化の粋が感じられる高台寺(同区)では、豊臣秀吉の正室だった北政所(ねね)の墓所「霊屋(おたまや)」(重要文化財)の内部を初公開する。北区の大徳寺塔頭・総見院では織田信長坐像(重文)を展観する。総見院では加藤清正が朝鮮から持ち帰った石を用いた井戸なども見どころという。

  (1)霊鑑寺(京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町) 江戸時代後期に建てられた奥書院「紅霞(こうか)亭」では大和絵風の障壁画などが見られる。
  (2)知恩院大方丈・小方丈・方丈庭園(東山区林下町) 金碧障壁画で飾られた豪華な大方丈(重文)、水墨画が描かれた小方丈(同)などを公開する。
  (3)高台寺(同区下河原町) 北政所の墓所「霊屋」の内部では須弥(しゅみ)壇や厨子(ずし)扉など内陣全体に施された「高台寺蒔絵(まきえ)」を間近に見られる。
  (4)泉涌寺霊明殿・御座所(同区泉涌寺山内町) 霊明殿は1884年に再建された宸殿(しんでん)風の建物。堂内には歴代天皇の位はいをまつる。御所から移築された御座所は、現在でも皇族が休憩時に使う建物。
  (5)泉涌寺雲龍院(同) 1372年に後光厳天皇が創建した泉涌寺派別格本山。本堂「龍華(りゅうげ)殿」(重文)の他、わらじで走る珍しい姿の「走り大黒天像」などが見られる。
  (6)泉涌寺新善光寺(同) 信濃の善光寺本尊と近くで縁を結べるように、と後嵯峨天皇の勅願により創建された。光格天皇の遺品「唐桑御机(からくわおつくえ)」など、ゆかりある天皇の遺品を伝える。
  (7)大徳寺法堂・方丈・唐門(北区紫野大徳寺町) 法堂(重文)の天井画「雲龍図」は狩野探幽が35歳の時の力作とされる。南庭と東庭からなる枯山水庭園も見どころ。
  (8)大徳寺総見院(同) 豊臣秀吉が創建した織田信長の菩提寺。重文の織田信長坐像は、信長の一周忌法要に合わせて作られた。
  (9)大聖寺(上京区烏丸通今出川上ル) 足利義満が造営した「花の御所」跡に建つ尼門跡寺院。書院「宮御殿」では、明治天皇のいすや香淳皇后が手元に置いていた洋装の御所人形を展示、源氏物語図屏風なども見られる。
 (10)三時知恩寺(同区新町通今出川上ル) 室町時代、崇光天皇の旧御所「入江殿」を寺院に改めたのが起こりの尼門跡寺院。円山応挙筆の襖絵「魞漁(えりぎょ)図」などを公開する。
 (11)光照院(同区新町通上立売上ル) 南北朝時代、後伏見天皇の皇女・進子(ますこ)内親王が創建した尼門跡寺院。境内の「常磐会館」は、昭和天皇御大典の時の大嘗宮(だいじょうぐう)朝集所を移築した建物。
 (12)宝鏡寺(上京区寺之内通堀川東入ル) 「人形の寺」としても知られる尼門跡寺院。江戸時代最後の天皇・孝明天皇が大切にした御所人形などを展示する。
 (13)妙心寺仏殿・浴室「明智風呂」(右京区花園妙心寺町) 仏殿(重文)は本堂にあたり、江戸時代に再建された。妙心寺にゆかりのあった明智光秀の位はいを安置する。
 (14)妙心寺玉鳳院(同) 花園法皇が建てた山内最古の塔頭寺院。檜皮葺(ひわだぶ)き屋根の方丈は、狩野永真や洞雲の筆と伝わる障壁画で飾られる。
 (15)東寺五重塔(南区九条町) 徳川3代将軍家光が再建した五重塔(国宝)は、高さ約55メートルの日本一高い木造塔。極彩色の文様に彩られた初層内部などが拝観できる。

◆公開期間 3月18日まで((1)は3月8日、(3)は3月1日、(12)は2月29日まで。(9)は3月1日から)。一部拝観休止日あり
◆受付時間 午前10時~午後4時(一部で時間変更あり)
◆料  金 1カ所600円((7)(15)は800円、(4)は1000円)
◆問い合わせ 京都市観光協会075(213)1717