パーム油発電の問題について報告する三谷さん(右から2人目)と森本さん(右端)=東京都千代田区の参院議員会館

パーム油発電の問題について報告する三谷さん(右から2人目)と森本さん(右端)=東京都千代田区の参院議員会館

 パーム油を使った火力発電所の規制を求める各地の住民団体が1月30日、東京都千代田区の参院議員会館で記者会見を開いた。
 環境保護団体FoEジャパン(本部・東京都)が主催し、福知山市で稼働中の発電所の悪臭や騒音に抗議している住民グループや、舞鶴市で計画されている発電所建設に反対している団体の代表も参加した。
 「三恵バイオマス発電所悪臭騒音対策会議」(福知山市)の三谷義臣委員長は、発電所が住宅地に隣接して騒音などが住民説明会で示された数値を大きく上回っていることや、臭気が他都市の基準を超えているなど、生活に深刻な被害をもたらしている実態を訴えた。
 舞鶴市喜多地区に計画されているパーム油火力発電所の建設に反対する「舞鶴西地区の環境を考える会」(舞鶴市)からは森本隆代表が参加し、「パーム油発電は福知山の事例のように、住民の生活に悪影響があるのは明らかで、次世代に残せない」と話した。
 このほか、宮城県角田市に大手旅行会社が建設している発電所についても、地元の環境保護団体や市民団体が反対する署名20万筆を集めたことを報告した。
 記者会見に先立ち住民グループは、経産省と環境省に悪臭や騒音対策を求める要望書と舞鶴パーム油発電所の建設に反対する1万989人の署名簿を提出。被害実態などについて担当者に詳細を訴え、意見交換した。

■国の買い取り制度がトラブルの原因に
  【解説】パーム油を燃やす火力発電所やその建設計画が各地で問題になっているのは、パーム油が必ずしも再生可能なエネルギーではないためだ。
 ところが国は、福島原発事故を受け再生可能エネルギー普及のために導入した電力の固定価格買い取り制度の対象にしてしまった。一連のトラブルの原因はここにある。
 パーム油はアブラヤシを絞って作られるが、アブラヤシ育成のため熱帯雨林の伐採が進み、深刻な自然破壊や住民の立ち退きなどをもたらしている。油の製造から日本への運搬の過程で石油に匹敵する二酸化炭素を排出しているという研究結果も複数ある。海外では「エコ偽装」と批判される。
 今月開かれた経産省の専門家委員会でも、こうした問題を考慮に入れる必要性が指摘された。今後、制度に反映される可能性が高い。