新型コロナウイルスについて解説する中屋教授(京都市上京区・京都府立医科大)

新型コロナウイルスについて解説する中屋教授(京都市上京区・京都府立医科大)

 新型コロナウイルスの感染者が京都府内でも30日、確認された。未知の感染症のリスクにどのように向き合えばいいか。京都府立医科大の中屋隆明教授(ウイルス学)に聞いた。

 -府内で初めて感染が確認された。

 「武漢に渡航歴のある方であり、予想されたことと言える。今後も新たな感染者が出るかもしれないが、必要以上に慌てることはない」

 -新型ウイルスの危険性は。

 「現状では感染力はインフルエンザと同じ程度と思えばよい。致死率は2%とされ、感染症の中では高い部類になるが、実際はもっと低い可能性がある。なぜなら、感染していても症状の出ていない『不顕性感染』の人々も多いとみられ、現状ではウイルス感染者全体の数が分からないからだ」

 -どのようにして感染するのか。

 「飛まつ感染と接触感染が考えられている。飛まつ感染では、せきやくしゃみにより直径5マイクロメートル以上の唾液粒子の中にウイルスが存在する状態で広がる。接触感染とは、ウイルスを含んだ唾液などが手や物に付着して、それが口や鼻を介して感染する。飛まつ感染で広がるウイルスを含んだ粒子は微小なためマスクで防ぐのは限界があり、手洗いも合わせて行うことが有効だ。アルコールよりも流水で丁寧に洗い流す方がいい。15秒以上洗えば効果があるとされている」

 -治療法は。

 「治療薬はまだない。すぐに開発される可能性は低いだろう。人が元々備えている免疫力が重要となる」

 -変異して病原性が強まる可能性はあるか。

 「あまり高くないと思われる。致死率が高まれば、ウイルスにとっても感染先を失うことになるのでマイナス。その方向へ変異が促進されるとは思えない。感染しやすくなる変異も、すでにこれだけ広がっている中、考えにくいのではないか」

 -気を付けるポイントは。

 「飛まつ感染の範囲は2メートル程度と言われている。何日も同じ空間で過ごすなどすればリスクは上がるものの、通常の生活では感染しづらい。だが不要不急の外出は控えた方がよい。状況はまだ流動的なので今後の情報にも注意してほしい」