国内飼育期間最長を記録していたライオンの「ナイル」(2019年11月、京都市動物園)

国内飼育期間最長を記録していたライオンの「ナイル」(2019年11月、京都市動物園)

 京都市動物園(左京区)で飼育していた雄ライオン「ナイル」が31日、死んだ。国内最高齢の25歳10カ月で、飼育期間も国内最長の22年6カ月と記録を更新中だった。同園は現在策定している新構想案で、ライオンの飼育展示についてナイルを最後とする方針を打ち出しており、同園からライオンが姿を消す見通しとなった。

 1月10日から食欲不振が続き、27日には食欲が全くなくなったという。29日夕から立ち上がれなくなり、30日は展示を中止して投薬治療を続けていた。死因は老衰とみられ、同園が詳しく検査している。

 ナイルは1997年7月、3歳で和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドから来園。2017年1月、同居していた雌ライオンのクリスが死んだ後は1頭となった。近年、やせ衰えた姿に「安楽死させてあげて」との声が寄せられることもあった一方、園内に響く声でほえるなど来園者の根強い人気を集めていた。同園はこの日、飼育展示室前に献花台を設置した。

 2月末までに正式決定となる同園の新構想案では、動物福祉の観点からライオンの飼育中止を明記した。同園は1907年からライオンの飼育を始め、10年に国内で初めて繁殖や人工保育に成功した実績を持つ。

 坂本英房副園長は「ナイルは多くの人に愛されていたので大変残念だが、よく頑張ってくれた」と話し、ライオンの飼育中止方針については「重い選択だが、今後は飼育の歴史を来園者に伝えていきたい」とした。