3年7カ月前の早朝のことだ。英国在住の保育士・ライター、ブレイディみかこさんは、テレビを見ていた配偶者の叫び声で目覚めた。「離脱する、離脱するんだ、俺たちは…。オー・マイ・ゴー―ッド」▼この日、世界中でどれだけ「オー・マイ…」が聞かれたことか。国民投票でEU離脱派が勝ったニュースは衝撃だった。その後の混迷ぶりも印象的だが、ようやくその時を迎えたようだ▼トランプ現象の先駆けともいわれ、移民に不寛容な排外主義などと批判されたEU離脱。だが、賛成した労働者階級の人たちの間で生きるみかこさんは「強硬な緊縮財政」への反発という経済的な動機が背景にあったと指摘する▼離脱に多大な夢や希望を抱いていた人はおらず、むしろ「苦しい生活からの出口が見えないのは我慢できない」「怒りを為政者に知らせなければ」と訴える人が多かったそうだ(「労働者階級の反乱」)▼英国の歴史を振り返ると、1926年のゼネラルストライキなど大きな節目があり、労働者たちこそが民主主義を守ってきたという。どんな未来に向かうのか、これからが正念場に違いない▼古い伝統を守りながら「新しがり屋」ともいわれる英国。京都もそうではないか。市長選の投開票があすに迫った。私たちの民主主義も問われる。