大津地裁

大津地裁

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪で懲役12年が確定し、服役した元看護助手西山美香さん(40)の裁判をやり直す再審公判が3日、大津地裁(大西直樹裁判長)で始まった。被告側が請求する刑事事件の再審公判は京滋で初めて。西山さんは改めて行われた罪状認否に対し、「男性を殺していません」と無罪を主張した。

 冒頭陳述で、検察側は「確定審や再審での証拠に基づき、裁判所に適切な判断を求める」とし、新たな有罪立証はしない方針を示し、改めて西山さんの無罪は確定的になった。
 弁護側は、患者の呼吸器を外したとする検察側の主張を否定し、「死因は自然死で、西山さんは無罪」と強調。「警察は事件のないところに事件をつくり、西山さんを殺人犯に仕立て、空中の楼閣を作り上げた」と批判し、「自白はめまぐるしく変遷し、うそであることは明白」とした。
 西山さんは04年7月、入院中の男性患者=当時(72)=の人工呼吸器を外して殺害したと自白したとして、滋賀県警に殺人容疑で逮捕された。西山さんは公判で無罪を主張したが、懲役12年の判決が確定し、17年8月まで服役した。一方、第2次再審請求審で大阪高裁が、自然死の可能性や捜査機関による自白の誘導の疑いを指摘し、同12月に再審開始を決定し、最高裁で確定した。
 検察側は昨年10月に有罪立証を事実上、断念する意向を示していた。公判は2日間で結審し、3月31日に判決が言い渡される予定。
 日弁連が支援し、再審公判が開かれた刑事事件は全国で今回以外に17件で、全て無罪が確定している。