京都市が行政代執行で解体に着手した空き家(右京区西院東今田町)

京都市が行政代執行で解体に着手した空き家(右京区西院東今田町)

 京都市は4日、倒壊して通行人に危害が及ぶ恐れがあるとして、空き家対策特別措置法に基づき、右京区の空き家を行政代執行で取り壊す作業を始めた。市は1月10日までに解体するよう公告していたが、所有者から連絡がなかった。空き家対策特別措置法に基づく市の行政代執行は初めて。

 空き家は3戸続きの長屋のうち2戸で、木造2階建て、延べ約85平方メートル。市によると、1戸は1959年築で、もう1戸の築年数は不詳という。2015年9月に地域住民から通報があり、18年の台風21号以降は外壁がはがれ落ちるなど状態が悪化していた。

 市の調査では、所有者は2戸とも故人の男性で、相続人3人のうち所在が判明した1人に指導を繰り返したが、経済的な事情で解体できないとの返答だったという。残り2人は所在不明で、自主的に是正される見込みがないことから、行政代執行に踏み切った。

 現場では市職員が代執行を宣言し、家具などを搬出した。解体は来週から行い、3月19日までかかる見通し。解体費用は約270万円を見込むが、所有者からの回収のめどは立っていないという。

 近くに住む女性は「40年以上前から空き家で、数年前から劣化がひどくなっていた。台風の時に物が飛んでこないか心配だった。ひとまず安心」と話していた。

 市が市民からの通報などで把握している管理状態が悪い空き家は約1050件あり、損傷が著しい約340件に対し、所有者の確認を進めている。市が行政代執行で空き家を解体するのは、建築基準法に基づく例では過去2件ある。