-パラリンピックは社会を変革する重要な契機になるとも言われる。何が変わると思うか。

 「パラリンピックの場合は障害者に光やスポットを当てる。世の中は健常者だけで成り立ってるわけじゃない。障害者がどういうふうに個性を生かしていくかという機会の一つです」
 「多摩川の河原で車いすマラソンの練習している人をよく見かけます。使っている機材はすごく高価。(自転車の経験から)オールカーボンでオーダーメードだと1台100万円を下らないように見える。あるいは、もっと高いかもしれない。パラスポーツはいろいろお金がかかるだろうし、場所を探すのもなかなか大変だと思う」
 「健常者のスポーツも、ラグビーが盛り上がり、プロリーグ化して発展させていこうとしている。スポーツの発展段階はいろいろ。昔は学校スポーツが中心だったが、今盛んなスポーツはみんなプロ化につながっている」
 「トップアスリートは前よりも競技に集中できるようになった。1964年の東京五輪は、当時のIOC(国際オリンピック委員会)会長は徹底的なアマチュアリズムでした。それからガラッと変わった。要するにスポーツはみんな産業化している。なぜ8月に暑い東京でやるのかという問題は、五輪もスポーツという人間活動を産業の一環としていく流れがあるからこそ、その金を集めるためにスポンサーがつかなきゃいけない。いいか悪いかは議論もあると思うが、少なくとも産業化することによってより多くのスポーツで、より多くの能力のある人が能力を発揮しうる状況はできている」
 「パラスポーツが産業化しうるものになるのかはわからない。優秀な人は企業がバックアップしている。東京大会の後、そういう動きがどうなるか、というのがまず第一の試練だろう。東京大会の盛り上がりがそのままに、というのは難しいかもしれない。でも、ある程度は維持していくことができるか。それが当面の課題じゃないかなと思う」