京都市が作成した「命を守る建物にする心得集」

京都市が作成した「命を守る建物にする心得集」

 京都市伏見区で昨年7月に発生した「京都アニメーション」(京アニ)放火殺人事件を受け、京都市は建築物の安全性を高めるためのガイドライン「命を守る建物にする心得集」を作成した。避難路の確保や煙への対策など、建築や設計にあたっての工夫を三つの「心得」にまとめ、ビル所有者や設計者に火災発生時の被害軽減を呼び掛ける。

 市建築審査課は京アニ事件後、現場となったビルと類似した市内の建物を査察し、その結果を踏まえてまとめた。
 心得(1)は「有効な避難ルートの確保」。普段使っていない場所には行かないという避難者の心理を踏まえ、メインの避難路は普段から利用する階段や廊下に設定することを提案した。階段を熱や煙に強い防火戸で仕切ることや、階段を二つ以上設けるプランも例示した。心得(2)は「煙の対策」で、避難路にある扉から煙が広がらないよう、扉が自動で閉まる「ドアクローザー」の取り付けや窓の開閉ボタンの設置などを挙げた。心得(3)では「日常利用する階段で逃げられないことも想定する」として、避難用はしごや一時的に避難できるスペースの確保などを示している。
 ガイドラインの主な対象は、事件現場となった京アニ第1スタジオと同規模の3~4階建てビルのオーナーや設計者。法的な規制ではなく、任意での活用を呼び掛けるという。
 A3判の両面刷り。5千部作成し、18日から建築士の業界団体などに配布するほか、市役所(中京区)にも置く。ホームページにも掲載する。
 事件を受け、市消防局は別途、放火など特殊な火災時の避難行動に関する指針を2019年度中に策定する予定。