京都府が2020年度の当初予算案を発表した。

 西脇隆俊知事は会見で「総合計画の実現に向けた発射台となる予算」と説明した。

 一昨年4月に就任した西脇知事にとって、当初予算案編成は2回目となる。子育て支援の拡充や観光・文化の振興など、知事選で掲げた公約の実現へ、さらに踏み込んだ施策が求められる。

 一般会計は9018億5300万円で、3年ぶりに9000億円台となり、前年度当初と比べて1・4%増えた。

 「発射台」への思いがにじむものの、財政状況は厳しい。米中貿易摩擦などの影響で法人税収入が落ち込み、借金にあたる府債残高は増え続けている。

 将来世代への多大な負担の先送りは許されない。無駄を排し、施策の内容を吟味する。その上で、いかに西脇カラーを打ち出していくかが問われる。

 予算案は重点施策に「子育て環境日本一の京都づくり」を挙げた。「従来の子育て支援策にとどまらない、幅広い施策に取り組む」としている。

 市町村の公園整備など子育てにやさしいまちづくりへの支援や、受診回数の多い多胎妊婦の健診費用の助成など、さまざまな事業を盛り込んだ。

 人口減少を少しでも食い止めようと、全国の自治体が子育て支援に力を入れている。だが、状況改善は容易ではない。

 中でも府の合計特殊出生率は1・29と全国で3番目に低く、25~39歳の女性の未婚率は2番目に高いという。

 「日本一」が掛け声に終わらないよう、まずは地に足をつけた、息の長い取り組みが求められるのではないか。

 市町村との連携を深め、成果を丁寧に検証しながら施策を進めることが肝要だ。人口減がより深刻な府北部などでは、ノウハウも課題も蓄積しており、府全体での共有を進めたい。

 外国人住民への相談窓口開設や、国と連携した就職氷河期世代の就労支援など、「全ての府民が躍動する社会づくり」にも重点を置いている。

 住民の多様性を生かし、共生社会を実現できるかどうかは、人口減少時代の鍵を握っているとも言える。柔軟な取り組みが欠かせない。

 巨額を投じた京都スタジアム(亀岡市)が本格オープンを迎える。東京五輪・パラリンピックの年でもある。地域の発展につなげなくてはならない。

 京都市に集中する観光客をどうやって呼び込むかは、以前からの課題だ。予算案では「食の京都」を核とした広域観光促進を掲げた。

 豊富な地域食材を生かした新メニューの開発などに取り組むという。「食」は分かりやすいものの、ありふれたテーマだとも言える。素材の磨き上げに工夫が求められそうだ。

 行財政改革では、特別職や管理職の給与カットなど人件費削減で約17億円、事業の見直しで約55億円を減らす。

 持続可能な財政構造にしていくため、不断の努力が必要なのは言うまでもない。