サウナを満喫するサウナ道部員ら(大津市月輪1丁目・おふろcafe びわこ座)

サウナを満喫するサウナ道部員ら(大津市月輪1丁目・おふろcafe びわこ座)

 大津市の社会実験で琵琶湖岸にお目見えしたテントサウナ(同市提供)

大津市の社会実験で琵琶湖岸にお目見えしたテントサウナ(同市提供)

 「サウナ=おじさん」のイメージが根強いが、近年は利用の裾野が若者にも広がっている。愛好者は「サウナー」と呼ばれ、足しげく通う「サ活」がブームに。滋賀では、天然の水風呂である琵琶湖を眺めながら屋外サウナを楽しむイベントも行われた。心身を整えるというサウナの神髄に触れるべく、その扉を開いた。

 昨秋にリニューアルした大津市の「おふろcafe びわこ座」。熱した石に水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」が始まると一気に室温が上がり、玉の汗がにじんだ。水風呂を経由し、椅子で小休止していると不思議な心地よさに包まれ、しばしまどろむ。
 「頭がさえて勉強がはかどる」「夜もすっきり眠れる」。こう力説するのは、同行した帯津裕一さん(30)と徳持裕己さん(23)。2人とも滋賀医科大(大津市)の学生でつくる「サウナ道部」の部員だ。
 約2年前に結成し、男子部員17人が不定期で各地のサウナを巡っている。過日もサウナーの聖地として知られる名古屋市の「ウェルビー今池店」で合宿を行った。
 日本サウナ・スパ協会(東京都)によると、1964年の東京五輪に出場したフィンランドの選手たちが、母国から選手村にサウナを持ち込んだのが普及のきっかけになった。最近では、京都精華大出身の漫画家タナカカツキさんの体験記「サ道」がブームの火付け役に。奥深いサウナの入り方を茶道ならぬ「サ道」として紹介した漫画はバイブル的存在となり、昨年テレビドラマ化もされた。
 県内では、湖岸利用の社会実験として昨年11月、煙突の付いたテント型サウナが大津市のなぎさ公園に設営された。テントサウナは、同協会が東日本大震災の被災地支援に活用したのを機に本格的に普及。今回は水風呂の代わりに簡易プールが用意されたが、遊泳規制などがない場所ならサウナ上がりで琵琶湖へ直行、なんてこともできそうだ。
 海外では自然と一体化するのがサウナの妙味。大津市の担当者は「琵琶湖とサウナカルチャーは相性がいい。湖岸を活用した大津ならでは魅力になり得る」と手応えを話す。
 サウナの熱刺激は、活動時に働く「交感神経」と休息時に作用する「副交感神経」の両方を活性化させるという。特に後者は睡眠や便通、食欲を促すことから健康増進やストレス発散に役立ち、水風呂と組み合わせるとより効果的とされる。サウナ10分程度↓水風呂↓休憩を2~3セット繰り返すと血液の巡りが良くなるという。
 「サ道」ではサウナ後の多幸感に満たされた状態を「ととのう」と表現する。帯津さんは医学生の立場から、緊張とリラックスをつかさどる交感、副交感神経からなる自律神経に着目し「自律神経のバランスを整える」と説明する。
 ただし、入り方には注意が必要だ。
 祐森クリニック(大津市)院長で温泉療法医でもある祐森泰郎さん(65)は「サウナでは心拍数が増え、血圧が上昇する。高血圧や心臓疾患がある人、健康な人でも体調不良や空腹時、飲酒後には注意がいる。入浴前後にさゆや水を補給したり、低温のサウナにしたりすることでリスク低減になる」とし、「水風呂は心臓から離れた手足に水をかけて慣らしてから。ぬるめのシャワーが有効」と助言する。