京都府が振興施策を充実させる丹波くりを拾う農家の男性(京丹波町市場)

京都府が振興施策を充実させる丹波くりを拾う農家の男性(京丹波町市場)

 京都府は生産が落ち込んでいる丹波くりの振興施策を、2020年度から充実する方針だ。丹波地域の栗の生産状況を調査し、21年度の丹波くりで初となる振興計画策定に役立てる。生産技術に習熟した名人「マイスター」を育て、同じ「丹波」の兵庫県も振興に力を入れる中、悠久の歴史のブランド栗を次世代につないでいく。

 府南丹広域振興局と中丹広域振興局が、6日発表した2020年度の当初予算案に計500万円を計上した。
 丹波くりは平安時代の延喜式に記載があり、歴史は千年以上前にさかのぼる。丹波は京都府と兵庫県にまたがり、福知山、綾部、南丹、亀岡の各市と京丹波町が当たる。
 府によると、5市町の丹波くりの生産量は1978年には約1500トンだったが、2018年度は約80トンに落ち込んでいる。農家の高齢化や栗の老木化の進行が影響している。
 府は兵庫県と一緒に栗の品評会を開催し、新規の担い手育成の講習会も行ってきた。だが、5市町には約730人の生産者がいるが、詳しい栽培状況は分かっていないという。
 20年度の予算案では栗の本数や面積、樹齢、品種、生産量を調べる費用を計上。21年度には長期的な振興計画を策定する方針のほか、手入れが行き届かなくなった栗園と新規の開園希望者をつなぐ「特用樹林バンク」の構築も検討していく。
 また、ベテラン栗農家から剪定(せんてい)や接ぎ木の講習や品質管理、知識を学んでもらい、「丹波くり」を発信するマイスターを1年間で6人程度育成する。
 すでに兵庫県はブランド販売や生産量拡大、加工などの戦略を定めた「日本一の丹波栗産地の復活に向けた基本構想」を14年3月に策定している。
 府南丹広域振興局の担当者は「『丹波くり』は全国に通じるブランド。収益性が高く、農家の所得向上につながる。兵庫県が先行しているが、刺激を受けながら一緒に『丹波くり』を盛り上げたい」としている。