京田辺市普賢寺地域産米の「ふげんじっこ」(普賢寺ふれあいの駅)

京田辺市普賢寺地域産米の「ふげんじっこ」(普賢寺ふれあいの駅)

 京都府山城地域で取れた米のおいしさを広めようと、JA京都やましろを中心に山城地域で新たな取り組みが広がっている。全国で人気の京野菜や宇治茶ブランドに押され、いまひとつ脚光の当たっていなかった山城産米。新たにコンテストを設けるなどし、農家の米栽培への機運醸成も図る。

 「府内でお米といえば丹後など北部が有名。山城地域のお米は、おいしいイメージがついていなかった」。JA京都やましろ営農部の小倉孝保さんはそう語る。山城地域は野菜と茶が2大産物。米専業農家の多い府北部に比べ、アピールする機会は少なかった。
 山城地域の農家は約5千戸。うち、茶農家は約600戸だが、米は農家全体の8割程度が作っている。「山城地域は気候がいいので、野菜や茶を作りながら、米も並行して栽培できる」と、小倉さんは分析する。
 全国的に米の消費量は減少している一方、輸送技術の発達や品質向上により、スーパーには北海道や青森県産の米が多く並ぶようになった。
 豊かな田園風景が広がる地域でありながら、産地の人間が地元の米を食べない状況を打破し、農家全体の共通品目である米をあらためて大事にしていくため、JA京都やましろは量を確保する従来の指導を転換し、味の良さをアピールするための取り組みを始めている。客観的指標である食味コンテストの参加も積極的に進め、成果が出始めている。
 2017年から始まった府全域から質の高い米を決める「京のプレミアム米コンテスト」では、毎年山城産米が入賞。昨年は木津川市の芝原利晃さんが作った「ヒノヒカリ」が最高金賞を受賞した。
 また、昨年からはJA京都やましろ独自の取り組みとして、新たに「山城産米食味コンテスト」も開催。食味分析器や日本穀物検定協会の資格「お米アドバイザー」を持つ米流通関係者による食べ比べ検査などを経て、上位8人を表彰した。
 小倉さんによると、山城産米食味コンテストを実施して以降、「食味を上げるにはどうすればいいか」とJAに問い合わせがあるなど、農家の意識も変わってきているという。「田んぼのある美しい山城の景色を守るためにも、山城のお米をPRする取り組みを続けたい」としている。
 また、地域と生産農家が結び付き、山城産米を新たな特産品として売り出す動きもある。京田辺市普賢寺地区では、地元産米を「ふげんじっこ」と名付け、18年から普賢寺ふれあいの駅で販売している。米粒の大きさ別に「お弁当用」「おひつご飯用」など4種類を用意。市観光協会が認定する特産品「京田辺ブランド一休品」に選ばれ、ふるさと納税返礼品に指定されるなど市のブランド向上に一役買っている。