東京電力福島第1原発事故で京都府内に避難した住民らの控訴審を前に横断幕を手に大阪高裁に向かう原告団(大阪市北区・大阪高裁前)

東京電力福島第1原発事故で京都府内に避難した住民らの控訴審を前に横断幕を手に大阪高裁に向かう原告団(大阪市北区・大阪高裁前)

 東京電力福島第1原発事故で福島県や茨城県から京都府内に避難した住民らが国と東京電力に損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が14日、大阪高裁(石井寛明裁判長)で開かれた。原告共同代表の福島敦子さん(46)が「私たちは自主的に避難したのではなく、逃げざるを得なかった。国と東電は事故そのものの責任を認め、全ての国民の命を守ってください」と意見陳述した。

 福島県南相馬市から木津川市に避難する福島さんは、避難は多くの葛藤の中で「苦渋の決断」だったとし、「原発事故は収束していない。原告一人一人の命と向き合って判断してほしい」と訴えた。国は「津波想定は客観的、合理的なもので否定される余地はない」と述べた。

 避難者らが全国各地で起こした集団訴訟の中で、京都訴訟の原告は、国の避難指示区域外からの自主避難者が原告の9割を占める。今年3月の一審京都地裁は「各自がリスクを考慮して避難を決断しても社会通念上相当である場合はありうる」と判断。津波対策を怠った東電と規制権限を行使しなかった国の責任を認め、110人に総額1億1千万円の支払いを命じた。

 原告側は賠償額や避難時から2年までに生じた被害のみを賠償対象としている点などを不服として控訴。国と東電も控訴した。