「支援者の皆さんがここまで支えてくれた」と話し、記者会見で笑顔を見せる西山さん(10日午前11時46分、大津市梅林1丁目・滋賀弁護士会館)

「支援者の皆さんがここまで支えてくれた」と話し、記者会見で笑顔を見せる西山さん(10日午前11時46分、大津市梅林1丁目・滋賀弁護士会館)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪で懲役12年が確定し、服役した元看護助手西山美香さん(40)の裁判をやり直す再審の第2回公判が10日、大津地裁(大西直樹裁判長)で開かれた。検察側は「新たな有罪立証はしない」としており、西山さんの無罪は確定的だが、無罪論告をせず結審した。弁護側は「メンツにこだわっている」と検察側の姿勢を批判した。

 判決は3月31日で、西山さんに無罪が言い渡される見通し。
 検察側は論告で「取り調べ済みの証拠に基づき、適切な判断を求める」と述べるにとどまり、求刑を放棄した。
 弁護側は最終弁論で、「患者は自然死の疑い」とした医師の意見書など複数の新証拠を基に他殺を否定し、「事件性を見いだすことはできない」と強調。自白については、刑事に対する西山さんの好意を滋賀県警が利用して誘導した上、飲食の提供など不当な手段を使い維持させたとし、「裁判所は任意性がなかったことを正面から認定し証拠から排除を」と、捜査の問題点に判決で踏み込むよう求めた。「司法関係者全員が冤罪(えんざい)の原因を究明し、再発防止策を講じる必要がある」と投げ掛けた。
 西山さんは最終意見陳述で検察側の論告を受け「有罪でも無罪でもなかった。それなら無罪にしてくれたらいいのに」と語り、裁判所には「被告人一人一人の声を聞いて審理してほしい」と訴えた。
 西山さんは、男性患者の死亡から1年以上が過ぎた04年、「呼吸器のチューブを外した」と殺害を自白して逮捕された。公判では「取り調べた刑事に好意を抱き、虚偽の自白をした」として一貫して否認したが、05年の一審判決は有罪認定し、その後、最高裁で確定。17年8月まで服役した。一方、第2次再審請求審で大阪高裁が、同年12月に再審開始を決定し、19年3月に最高裁で確定した。