ホームバンクにしていた京都向日町競輪場で練習する山路さん(京都府向日市)

ホームバンクにしていた京都向日町競輪場で練習する山路さん(京都府向日市)

競輪選手生活に幕を下ろした山路さん(京都府向日市・京都向日町競輪場)

競輪選手生活に幕を下ろした山路さん(京都府向日市・京都向日町競輪場)

 京都向日町競輪場(京都府向日市寺戸町)を拠点にしていた日本競輪選手会京都支部の山路藍さん(33)が、現役を引退した。父の看病に専念するという。紆余(うよ)曲折の末にたどり着いた競輪や地元で受けた声援への感謝を胸に、バンクを離れる。

■異色経歴「出会えてよかった」
 山路さんは、テコンドー日本代表や吉本新喜劇の舞台芸人など異色の経歴を持ち、ガールズケイリン選手として2014年にデビューした。「頑張ったことが結果や報酬につながる。駄目な時があっても取り返すチャンスがある。自分の足と体で勝負する、魅力あふれた世界だった」と振り返る。
 レースを繰り広げた各競輪場の中でも、向日町での声援が心に残る。「『山路、頑張れ!』の声がすごくうれしくて力になった。地元開催は応援の数が違った。その分、ヤジも聞こえましたけど」と笑顔で話す。
 18年1月に長女を出産した。1年後に京都支部初のママ選手として復帰。育児との両立で成績を残せない中でも奮闘を続けていた昨年12月、父の病が見つかった。「今は看病に専念したい。今後走れる見通しは立たなかった」と、1月31日付で引退を決めた。
 選手生活への思いは尽きない。師匠や仲間との出会い。来る日も来る日も続けた苦しい練習。「私のような地力のない選手でも、やる気があれば挑戦することを認めてくれた」。だから、レースの緊張感や緊迫感が味わえない寂しさと、1度も優勝ができなかったまま引退する悔いは残る。ゆくゆくは中学校教員を目指すというが、今思うことは一つ。「競輪に出会えてよかった」