優生保護法関連公文書の情報公開を巡る経緯

優生保護法関連公文書の情報公開を巡る経緯

 京都新聞社が滋賀県に対して開示請求していた優生保護法(1948~96年)下での強制不妊手術関連文書について、県は12日、県の第三者機関が開示すべきとした449カ所のうち、病状や病歴など約8割に当たる347カ所を非開示とした。ほぼ全面的な開示を求めた同機関の答申に反する異例の裁決。情報公開制度を軽視する県の姿勢が浮き彫りになった。

 県が2018年1月と同4月、京都新聞社の情報公開請求に対し、文書の大半を黒塗りにして開示したことから、京都新聞社は開示を広げるよう求めて審査請求した。県の「公文書管理・情報公開・個人情報保護審議会」(会長・横田光平同志社大教授)が1年間審議し、被害者と保護義務者の名前と住所、審査を申請した医師の名前以外はほぼ全面開示するよう、昨年8月、県に答申した。宮城、愛知、三重、奈良県でも審査請求が行われているが、行政機関に全面開示を答申したのは滋賀県が初めてだった。

 県が非開示と裁決したのは、65、68~71、76年度の県優生保護審査会資料の優生手術該当者調査書と健康診断書、遺伝調査書、適否決定書のうち、同審議会が「個人の権利利益を害するおそれはない」と結論付けた発病後の経過、現在の症状、生活状況、遺伝関係、申請に至った動機、審査や手術に関与した病院や医師の名前などの項目。強制不妊手術は当時、疾患や障害を理由に「公益上必要」という医師の判断の下、審査会の決定を経て行われた。

 県は非開示の理由について「偏見や差別による人権侵害を受けるおそれがあり、より一層の法的保護の必要性がある」とした。

 審査会委員の名前と職名、調査書などの続柄の一部、遺伝関係を調査した家系図の線は答申通り開示した。

 県情報公開条例は「実施機関は答申を尊重し速やかに裁決しなければならない」と規定する。今回は答申から裁決まで168日要し「原則30日、特別の理由がある場合は60日以内」とする県内規の期間を108日超えた。