梶原裕美さん

梶原裕美さん

 女性服レンタルのベンチャー企業「ブリスタ」(滋賀県草津市)の会長を務める梶原裕美さん。商談や会食などイベントごとに着られる約350ブランド、4千着のワンピースやジャケットを会員の顧客に貸し出す。「レンタルなら収納スペースがいらず、購入をためらう華やかな柄にも挑みやすい」と話す。
 滋賀県内の高校を卒業後、数度の転職を経て地元のパソコンソフトの開発会社で働いていた。まだ幼かった次男の体調不良で早退が増え、子育てと仕事の間でもどかしさを感じたことが一つの転機になった。
 「起業したらもっと時間の融通が利くはず」。一念発起し、大手通販サイトで天然石を販売するEC(電子商取引)ビジネスに乗り出した。自宅マンションの一室から始まった事業は順調に拡大し、10人ほどのアルバイトを雇うまで成長。商材を仕入れが簡単な服に切り替え、2014年に株式会社「宙(そら)オリエンタル」を創業し社長に就いた。
 30代以下の女性をターゲットにネットで服を販売。売り上げは順調に伸びたが、会社の「顔役」として思わぬ悩みに直面した。地元の経営者らとの会合に頻繁に誘われるようになったことだ。
 「女性だから」と、集まりに顔を出すたびに注目を浴び、写真撮影も求められる。服の事業を手掛けている分、同じ服装ではまずい。衣装を頻繁に新調し、気付けば月に10万円ほど費やしていた。
 洋服を安く借りられるサービスはないのか―。思案を重ねて決断した。「日々の着回しに悩む女性は多い。ファッションレンタルを事業にすれば当たるはず」。
 こうして生まれたのが「ブリスタ」だ。レンタル用の衣類は、アパレルメーカーの在庫を無料で引き取るなどして調達する。顧客の利用データを提供し、メーカー側は品質改良に役立てられるメリットがある。
 宙オリエンタルの一事業だったブリスタは2年前に法人化した。「キャリアを持った女性は今後さらに増える。女性の社会進出とともに洋服のレンタル市場は拡大するはず」。そう将来を見据え、数年後の東証マザーズ上場を視野に入れる。

【かじはら・ひろみ】 型友禅職人の長女として京都市右京区に生まれる。甲西高卒。宙オリエンタル社長で、ブリスタ会長。草津市在住。2児の母。48歳。