今回の選考では、撮影者の狙いが伝わる作品が多く見受けられました。明確なメッセージを持った写真は、力強く、見る人に訴えます。意図を伝えようとする努力は、写真技術を磨くことにもつながります。

 最優秀賞は、西さんの「気迫」を選びました。力点が的一点に向かう構図が写真に力強さを与えています。覆い焼きの効果で人物を浮かび上がらせて強調。モノクロ写真の良さを再認識させてくれる1枚です。優秀賞の「夕映えのシルエット」は児玉さんの労作。3秒間の露出をかけて湖面を滑らかに表現。落ち着いた色調と濃淡で美しい情景を演出しています。田中さんの「小宇宙」は、蜘蛛の巣の網目が逆光で浮き立ち、きらきらと光る造形美が魅力的です。

 佳作では、カモの仕草が楽しい「シンクロカモ」が目を引きました。リズム感と瞬間の面白さがあります。多喜さんの「福よ来い」は、わざと人々の影を撮ることで、見る人の想像力をかき立てる作品に仕上げています。  今年は暖冬のようですが、体調管理を怠らず、入念な準備をして撮影に臨んでください。
 (写真部長 奥村清人)

最優秀賞 「気迫」(京都市北区・上賀茂神社) 西 正幸

デジカメ、150~500ミリ、F6.3、4000分の1秒、ISO800

【評】すっと伸びたたくましい腕と矢。そして的を凝視する目線とが画面中央を貫き、力強い写真を生み出しました。余計な色を省いたモノクロ写真の良さが存分に発揮されています。

優秀賞 「夕映えのシルエット」 (長浜市の琵琶湖) 児玉 浩一

デジカメ、24~70ミリ、F16、3秒、ISO100

【評】夕暮れの湖の風情がとても美しい。長時間露出で湖面を滑らかに見せる工夫。手前の枯れ草、中央の木々、遠くに山並みを配置する構図が絶妙な遠近感を生み出しています。

優秀賞 「小宇宙」(京都市北区)  田中 はるお

デジカメ、120~400ミリ、F8、640分の1秒、ISO800

【評】逆光に浮かび上がった蜘蛛の巣の造形美が素晴らしい作品です。ちょっと不規則に張られた網目の形に不思議な魅力があります。

以下佳作

「シンクロカモ」(草津市)  藤原 厚士

 

「陽光が射す」(高島市・ビラデスト今津)  赤井 春雄

 

「伊達姿」(左京区・宝ケ池) 片岡 昭男

 

「冬も命の水しぶき」 (大津市・琵琶湖大橋)  佐藤 幾太郎

 

「真夜中サーキット」 (京都府久御山町・久御山ジャンクション) 渡辺 和

 

「福よ来い」(長浜市・豊国神社)  多喜 信一

 

「天高く」(京都市)  南 貴博

 

「ONE TEAM」 (下京区・五条大橋付近) 岡田 亮

 

「合掌」(右京区・愛宕念仏寺)  田中 雅之

 

「爽快」(伏見区・宇治川堤防)  岡本 正嗣