バレンタインデーの「義理チョコ」離れが進んでいるという。市場調査会社が1月に2400人の男女を対象に実施したネット調査では、同僚とともに贈るという女性は3割にとどまった▼働く女性の8割が「参加したくない」と答えており、理由で多かったのは「出費を控えたい」「形式的」などだ。男性の反応も「うれしくない」が57%と芳しくなく、理由のトップは「ホワイトデーのお返しが面倒」だった。職場の潤滑剤になっているとはどうも言い難いようだ▼バレンタインデーが日本で広く定着したのは1970年代だ。愛情や感謝を表すために女性が男性にチョコレートを贈る日とされるが、欧米では女性が渡すとは限らず、チョコに決まっているわけでもない。まして義理チョコなんて習慣はない▼日本的といえば、バレンタインデーとホワイトデーをセットにしたのもそうだ。業界が販売促進につなげるため、贈り物にお返しをする日本の中世以来の贈答文化に着目して創出したものだったとされる(伊藤幹治著「贈答の日本文化」)▼洋菓子メーカーが募集した今年のバレンタイン川柳に、<義理チョコをやめた分だけ自分チョコ>という作品がある▼形ばかりの義理から解放され、ほっとした感じがほほ笑ましい。贈り物はもっと自由でいい。