新型コロナウイルスの注意点について説明する清水恒広感染症科部長(京都市中京区・京都市立病院)

新型コロナウイルスの注意点について説明する清水恒広感染症科部長(京都市中京区・京都市立病院)

新型肺炎の主な予防策

新型肺炎の主な予防策

 新型コロナウイルスによる肺炎は、日本国内でも流行する可能性が指摘されている。高齢者や持病のある人が発症すると重症化しやすいとみられ、日本人も13日までに国内で80代女性、中国・武漢で60代男性が亡くなった。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」でも感染者は60代以上が多い。2009年に日本でも感染が広がった新型インフルエンザは比較的若い世代の患者が多かったが、今回は高齢者らに一層の注意が求められている。京都市立病院の清水恒広・感染症科部長に注意点や対策について聞いた。

■手洗い・加湿・清掃・換気、十分な睡眠と栄養摂取を
 清水部長は「武漢からの帰国者や国内の発症者が比較的軽症にとどまっているのに対し、クルーズ船は密閉性の高い特殊な環境に加え、乗客の年齢層が高いことも一因」とみる。
 年代を問わず、現状として対策は、予防と、かかった場合に重症化を防ぐという二段構えが必要だ。十分な睡眠や栄養摂取は免疫力を高める効果がある。手洗いの徹底、せきやくしゃみが出そうなら、口を手ではなく肩や肘で隠す「せきエチケット」も心掛けたい。その上で「ほかの病気と併発すると重症化しやすい。インフルエンザなどワクチン接種で事前に対策できることはしておくべき」と強調する。
 高齢者の肺炎の要因として最も多い肺炎球菌感染症もワクチン接種ができる。糖尿病や高血圧、狭心症、心筋梗塞の既往症のある人などは適切な通院や服薬が欠かせない。
 高齢者施設も注意が必要だ。厚生労働省は、高齢者施設や障害者施設、保育所などで手洗いをはじめとする予防策の励行を求める通知を都道府県に出した。
 「新型コロナウイルスをはじめ、インフルエンザなどを含めてウイルスを持ち込ませない対策が重要になる」。ワクチン接種については、職員や施設に面会に訪れる家族も必要なものを受けておくべきとする。
 新型コロナウイルスは、せきやくしゃみで飛んだ唾液などを通じた飛沫(ひまつ)感染と、ウイルスの付着した物に触れた指から目や口を介してうつる接触感染で広がっているとみられている。施設の職員や家族は、鼻水やのどの痛みだけで発熱のない軽い症状であっても、マスク着用や面会に行かない配慮が求められる。
 利用者や職員が触るドアノブや手すりは1日数回エタノールでふく。施設も自宅も、室内でウイルスを活発に活動させる環境をつくらないよう、加湿器などで乾燥を防ぎ、こまめな清掃、換気を心掛ける。
 清水部長は「感染力や予防策は基本的にインフルエンザと同じと考えていい。高齢者らは注意すべきだが、過敏にはなりすぎず、冷静に対応してほしい」と話している。