安土桃山時代の能装束のデザインを生かした新商品をPRする染工場の社長ら(京都市中京区・市役所)

安土桃山時代の能装束のデザインを生かした新商品をPRする染工場の社長ら(京都市中京区・市役所)

 安土桃山時代に西陣で織られた華麗な能装束のデザインを、京都市内の染工場などがアロハシャツやバッグによみがえらせ、このほど、中京区の京都市役所で披露した。美術や文化を楽しむ商品として内外に発信する。

 市産業技術研究所が、能装束の収集で知られる林原美術館(岡山市)所蔵の800点以上をデータベース化。凜(りん)としてかれんな安土桃山時代のデザインを商品開発に生かすプロジェクトをスタートした。京友禅の亀田富染工場(右京区)、がま口製造販売の秀和(左京区)、寝具・寝装品製造販売の高岡(下京区)、風呂敷製造卸の宮井(中京区)が参画した。
 完成したのは、しだれ桜を金箔(きんぱく)で表現した小袖「紅白段桜花文摺箔(こうはくだんおうかもんすりはく)」(重要文化財)などのデザインを応用したワンピースやバッグ、座布団、風呂敷など24種類。アロハシャツやサコッシュ(スポーティーなバッグ)もある。同美術館で実物を確認し、繊細で優美な雰囲気を生かす構図や箔の表現にこだわった。
 同美術館の谷一尚館長は「最高の芸術が生まれた時代の息吹を再現した」と評価。高岡の高岡幸一郎社長は「歴史や伝統などストーリー性を世界に発信したい」と期待する。
 4月22~28日に大丸京都店(下京区)で一部商品を販売するほか、同美術館や全国の百貨店、各社の直売店などで販売する。価格は3千~4万円程度。